その原因は安倍首相の「手のひら返し」にある。首相は園児に教育勅語を暗唱させる籠池氏の特異な幼稚園教育に共鳴し、国有地買収計画「神風」を吹かせたが、国会で追及されると一転「国家によるカゴイケ切り捨て」の挙に出た。
籠池氏は「手のひら返しと決裁文書改ざんは一体のもの」と喝破。「安倍官邸は公文書を改ざんさせ、官僚に国会でウソをつかせ、議会を毀損した」と首相の罪状≠告発する。
彼は「国家は言葉で成り立つ」との考えのもとで「憲法、法令、統計、決済文書など、公的な言葉に信頼を置くがゆえ、議員に権限を付託する」と指摘。「言葉をないがしろにする人間に、国家にとって最も崇高な言葉である『憲法』を語る資格があるのか」と、安倍改憲をこき下ろす。
また,検察にも厳しい批判の目を向ける。検察内部には、立件すべき理由があるのに、政治的思惑に基づき、「不起訴ありき」という前提で立件を見送る「国策不捜査」方針がまかり通っていると指摘する。
実際、森友事件は籠池氏の詐欺事件に矮小化され、国の背任容疑や公文書改ざん問題は闇に葬られた。彼は「公訴権を濫用し、政治権力の犬に成り下がった特捜部は即刻廃止すべきだ」とも、主張している。
さらに「この国の報道機関のあり方が、いまほど問われている時はない」と指摘しつつ、「希望は捨てていない」と述べ、メディアへの批判と期待に力を込める。(文藝春秋1700円)


