連合(日本労働組合総連合会)は初めての女性会長、芳野友子さん(55)の下で初の国政選挙を終えた。しかし、報道によれば、芳野さんは、日本共産党が入った選挙協力に釘を刺したという。
連合はこれまでも「共産党排除」の姿勢が強かった。今回の衆議院選挙でも事前に「4野党共闘」が確認した目標の1つ「連合政府」を認めないことを、野党共闘の要だった立憲民主党の枝野幸男前代表に意向を表明したと伝えられている。
連合が真の労働組合と自認しているならば、同じ働く者の側に立つ他の立憲野党とともに、今回の総選挙で少なくとも「自公過半数割れ」「政権交代」を目指すのは当然ではなかったか。
しかし、芳野会長や連合幹部の大半は、「まず自公の過半数割れ」を目標に掲げながら実態は「共産党との共闘」は全面的に否定したようだ。防衛装備品製造会社の労組が力を持つ連合の力が選挙の結果を左右する国民民主党は4党共闘には入らなかったうえに、選挙後、国会で野党の国対委員長会議にも参加しないという。維新の会と改憲論議を始めるともいう。
それにしても総選挙ではまず、自公の議席を過半数割れにして、その後の野党連立、野党連合協議に向けて、連合の意見を述べるのが本道で、選挙前から「共産党排除」を打ち出したのは、連合が「自公過半数割れ」を本当は望んでいないのではないかと疑ってしまう。つまり、表面的には「自公過半数割れ」を掲げながら、実は「戦争ができる国」志向の自民党の補強組織ではないかとも勘ぐってしまいたくなる。
私が住んでいる福岡県では、選挙前、「市民連合ふくおか」が主導して「自公連立政権を打倒して野党連合の政権を」「棄権しないで投票に行こう」などの旗印を掲げ、街頭行動を盛んに展開した。その中で、驚くことに、立憲民主党の候補者に対して、連合が「できれば共闘をしないように」「一緒に街頭演説をする際、共産党の旗が立ててある場所に立憲民主党の旗を立てるな」と強く指示していたという。
「市民連合ふくおか」の活動報告をユーチューブで見ると、なるほど政党の旗は「日本共産党」「社民党」「れいわ新選組」「緑の党」のものは見えるが「立憲民主党」の旗は見当たらなかった。地方組織に対しても連合の「反共産党」の姿勢は徹底している。
連合に初めて女性会長が誕生したことは歓迎したい。これまでの男性主導の労組活動に新風を吹き込むことが期待されている。女性労働者に非正規が多いことや「コロナ禍」で職を失う女性が増えたことなどで、これからも女性会長に寄せられる声は高まるだろう。
しかし、連合が労働組合というのならば、せめて「要求で一致する運動には共闘を」と強く言いたいが、芳野会長は、その点をどう考えているのか、「連合は不可解な労働組合」と言ってもいい。
白垣詔男
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年11月25日号


