「時代がもとめる、ミライの学校」とは何か。この映画を教材にして全国の小中高校の授業で上映し、子どもたち自身が「学びたい学校の姿」を考え、教師とフラットに議論する取り組みを新年度に展開してはどうだろう。そんな提案をしたくなった作品である。
「きのくに子どもの村学園」は30年前から「体験学習」を実践している先進的な学校だ。堀真一郎学園長が1992年に小学校を和歌山県で開校して以来、福井、福岡、山梨の各県でも小中学校が開設され広がりをみせている。
宿題がない、テストがない、「先生」がいない同学園で学ぶ子供の姿を、医食同源・食養生をテーマにしたドキュメンタリー『いただきます みそをつくるこどもたち』で知られるオオタヴィン監督がとらえた。「南アルプス子どもの村小学校を訪ね、昼休みの職員室をのぞいて驚愕しました。職員室は子供たちの歓声でいっぱいでした」「キラキラいきいきした子供の表情。その『映像の力』だけで、教育を問うことができる」と語る。
「私立学校だからできることでは」という反論を予想してか、オオタ監督は、通知表や時間割のない「総合学習」を60年間続けている長野県伊那市立伊奈小学校や、校則を減らし定期テスト廃止の世田谷区立桜丘中学校も取材し、公立学校でもできることを明示する。
教育改革が叫ばれる今、脳科学者の茂木健一郎氏が登場し科学的に説明する。教科の壁を超えて体験学習をすることは「AI時代にふさわしい能力が発揮できるような脳のOSがつくられる」と。2月4日からシネスイッチ銀座などで公開。
鈴木賀津彦
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年1月25日号


