言論封殺の暴挙に抗議する
■参院選が終盤に入った8日、街頭で演説中の安倍晋三元首相が凶弾に倒れ死去した。心から冥福を祈り哀悼の意を表する。国の将来を選択する選挙中に、銃弾で言論を抹殺する暴挙に対し、最大限の怒りを込めて非難する。
■逮捕された元自衛官の男性は「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元首相を狙った」という趣旨の供述をしているようだ。だが犯行の動機や背景、手製の銃を作るに必要な部品購入や製作過程など、もっと深く慎重に捜査し解明しなければならない。
■併せて安倍元首相への哀悼から自民党への同情が集まり、これまでの政策への批判、選挙公約に掲げる軍事費2倍や改憲などへの反論が委縮するようなことがあってはならない。
8年8カ月に及んだ安倍政権についても、アベノミクスの功罪を初め、<森友・加計問題、桜を見る会、河井疑惑>も含め、今後も検証が必要なのは間違いない。
世界に広がる銃の暴力支配
■さらに憂慮するのは、「物価高・年金減・賃金安」の閉塞感に覆われる今の日本社会が、1930年代の大正から昭和初期にかけた社会状況に、似てきていることである。
犬養毅首相が殺害された5・15事件や高橋是清大蔵大臣らが殺害された2・26事件を思い起こさせる。
■戦前の日本は暗殺やクーデター未遂といった暴力で政党政治が後退。軍部の台頭を許した結果、85年前の1937年7月7日に起こした盧溝橋事件を機に、日本は戦争に突き進んだ。この教訓を忘れてはならない。
これは決して過去のことではない。今の国会は、安倍元首相の118回のウソに続き、岸田首相も答弁をはぐらかす。野党やメディアの追及も緩い。言葉で言っても無理、「問答無用」で殺害、そんな考え方が広がってはいないか。
■政府や一部野党が主張する「敵基地攻撃論」、ロシアのウクライナ侵攻、米国の銃乱射事件、トランプ支持者の国会襲撃事件etc、こうした国の内外に広がる暴力による政治・社会への威嚇は、世界の人々の言論と民主的な行動で封じなければならぬ。(2022/7/10)
2022年07月10日
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