2022年07月19日

【映画の鏡】その先の家族や友人との絆『沖縄カミングアウト物語』かつきママのハグ×2珍道中=鈴木賀津彦

 6月は「プライド月間(Pride Month)」だ。世界各国でLGBTQ+(性的少数者)の権利を啓発するイベントやキャンペーンなどが繰り広げられている。
 米ニューヨークで1969年6月27日、LGBTが集まっていたゲイバー「ストーンウォール・イン」に不当な踏み込み捜査を行なった警察に客が抵抗し衝突した「ストーンウォール事件」は、歴史上初めてLGBTによる公権力への明確な抵抗で、社会運動の始まりとされる。1年後行われたパレードなどの記念行動以来、6月が月間として位置付けられているのだ。
 そこで今月は、本欄でも性的少数者の思いを正面から描いたドキュメンタリー作品を紹介する。新宿二丁目のゲイバー「九州男」の店主、かつきママのカミングアウト・ストーリーである。
 製作の狙いを松岡弘明監督はこう語る。「私自身がゲイであることをカミングアウトできずに母親を癌で亡くしたことがキッカケでした」「年月が経ち、『九州男』でかつきママのカミングアウト・ストーリーで聞いたとき、これが私の知りたかったカミングアウトの理想的なエンディングだと思いました。こんな可能性もあるんだということを、ぜひとも映像で伝えたい。そんな想いを胸に、かつきママと一緒に彼の故郷・沖縄県那覇市を訪れました」
 家族や友人とカミングアウトしたときを振り返る様子から、この先の人のつながりが示されていく。7月8日〜21日開催される「第30回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」の上映作品に選ばれ、17日に東京・青山のスパイラルホールで上映される。
 鈴木賀津彦
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年6月25日号
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