2022年10月04日

【映画の鏡】保守王国にみる日本の縮図 『裸のムラ』 変化に対応しない構造に迫る=鈴木賀津彦

                            
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     石川テレビ放送  

なぜ日本がこんなにも「後進国」になってしまったのか、その理由を保守王国、石川県の現実を直視することで解き明かしてくれる。
7期28年の谷本正憲知事(75)に代わり今春の選挙で当選したのは、谷本の選対本部長を務めていた元文科相の馳浩。新知事に花束を渡すのが女性の役割? そんな場面を強調して男社会の「ムラ」の滑稽さを捉える。当選直後に谷本は県公立大学法人の理事長に就任するという筋書き通りの結末も淡々と追っていく。馳知事のスローガン「新時代」にも「?」を付け、馳が衆院選に初当選した22年前に掲げたのも同じ言葉だったと伝える。

激変する現代社会、多様性が求められるのに、何も変わっていないムラの現状。長期の権力集中に忖度する県庁職員の仕事ぶりをカメラが追う中で、象徴的なのが県議会の知事席のお茶を入れたガラス瓶の水滴を丁寧に拭く女性の姿。谷本時代と変わらず、馳になっても同じシーンが繰り返される。
 一方で市井の生活にもカメラが向けられる。「ムスリムの一家」と「バンライファ―の2家族」の暮らしぶりの映像が、「男ムラ」の政治の場面と行ったり来たりして描かれる。この関連性が分かりにくく、観客をイライラさせるのだが、3つの物語の「つながり」が理解できた時、ムラをどう変えればいいのか、展望が見えてくる不思議なドキュメンタリーだ。
監督の五百旗頭幸男は、富山市議会の不正を暴いた「はりぼて」の監督。石川テレビに転職し制作した2つの番組「裸のムラ」「日本国男村」が元になった。10月8日からポレポレ東中野(東京)などで公開。
鈴木賀津彦
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年9月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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