2023年09月28日

【焦点】インボイス反対署名36万提出 経済悪化を招く消費増税 稀代の悪法中止・延期を=橋詰雅博

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 10月1日からスタートするインボイス(税率や税額が記載された適格請求書)制度に反対する市民団体「インボイス制度を考えるフリーランスの会(通称STOP!インボス)」は9月4日東京都内で集会を開き、2021年12月からネットで集めた反対署名36万筆超(ネット署名数では東京五輪開催中止46万筆超に次ぐ)を財務省、国税庁、公正取引委員会=写真=や各党国会議員に提出した。
 運動の呼びかけ人の小泉なつみ氏(ライター兼編集者)は「ネット署名はこの1カ月余で15万筆も増えて驚異的なスピードでした。法制化以降7年間もマスコミは黙殺≠ナしたから、これほどまでに反対の声が集まったことをマスコミは重く受け止めてもらいたい」と話し、「インボイス制度はこの国の文化と産業を壊し、分断と増税、混乱をまねく稀代の悪法です」と制度を批判した。

 今回のインボイス制度を簡単に言えば、これまで免税だった売り上げ1000万円以下の事業者も消費税の納税対象になる。政府が広報に消極的で制度の理解に乏しい人からは、「納税」は当然、それに反対する免税事業者は「脱税」「ピンハネ」を継続したいからという声が後を絶たなかった。

 集会に講演者として参加した京都大学大学院の藤井聡教授は「テレビのコメンテーターは言うに及ばず、学者までもピンハネという間違ったコメントをしていた」と明言したうえでこう説明した。
 「財務省自ら消費税に『預かり金』はないという見解を国会で示している。つまりネコババ≠ヘないということです。それでは誰が増税分を支払うかだが、財務省は免税事業者、課税事業者、消費者(価格に上乗せされるケース)の中で誰でもいいから支払えという考えです。すなわちインボイス制度は純然たる消費税の増税です。日本経済が極めて厳しい状況下でのインボイス制度の導入は、経済成長に悪い影響を及ぼすのは明白だ。今は実施すべきではない」と断固反対した。

 賛同人120名の一人である元朝日新聞記者の政治ジャーナリスト・鮫島浩氏は財務省が導入にこだわる理由を「まず財務省の力を見せつけること。フリーランスには国家権力を批判するジャーナリストも多い。消費税を強化し、税務調査で圧力をかけるカードを握ることができる。もう一つは税理士利権の拡大で業界を潤わせることよって財務省から税理士業界への天下りを増やすこと」とコメントを寄せている。

 こうしたことを踏まえて市民団体は、経済的「成長」も事業を継続していける「安心感」も個人情報が守られる「安全性」(国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトのセキュリティが脆弱)も免税事業者への「尊厳」もかけているインボイス制度の実施中止、最低でも延期を訴えた提言書も発表した。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
 
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