2025年06月06日

【映画の鏡】横浜市民の底力にスポット『The Spirit of Yokohama』市長選の年「街づくり」の在り方示す=鈴木賀津彦

 
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 5月初旬に開催された横浜国際映画祭で、横浜の多様な市民活動とそのつながりを捉えたドキュメンタリー作品『The Spirit of Yokohama』が披露された。映画ファンが集い興行的にも注目される映画が数多く上映された中、違った意味で異彩を放った「究極の地域映画」として注目した。

 横浜・元町で生まれ育ち、長年横浜の街づくりに関わってきた今年97歳の杉島和三郎さんにスポットを当てる。いわば市民活動の「つなぎ役」として、横浜の戦後復興でいかに市民の力が発揮されたかなどを説明する。その中で登場するのが多彩な市民活動。様々な市民団体が思いを語っていく。

 そんな街づくりの動きを、「他人事」と受け止めている人には「伝わりにくい」かもしれないが、当事者意識を持って観る人には横浜市民としての「誇り」が感じられるだろう。
 この映画の制作は、横浜市が打ち出した「カジノを含むIR=統合型リゾート施設」の誘致の是非を巡り大混戦となった4年前の横浜市長選の流れから生まれてくる。「カジノ反対」の市民運動が推した山中竹春氏が、誘致を推進した現職らを破り当選、カジノ誘致にストップをかけたのだ。

 カジノ構想を追いやった市民たちはその後、市政を市民の手に取り戻す取り組みを展開。カジノが計画された山下ふ頭周辺の街づくりを、市民の要求で創りだそうと「みんなの山下ふ頭に〇〇があったらイイナ」プロジェクトなどが動きだした。そこで旗を振ったのがプロジェクトのリーダー役の古澤敏文監督だ。
 そんな底流を感じ取ってほしい。6月14日からジャック&ベティで公開。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年5月25日号
posted by JCJ at 03:00 | TrackBack(0) | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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