辺野古新基地建設に向けた海底の地盤改良工事が強行されている大浦湾沿岸地域=名護市二見以北10区の住民らは7月8日、「沖縄防衛局による地域分断に抗議し撤回を求める声明―二見以北10区コミュニティ基金について」を記者発表(賛同者117人)し、伊藤晋哉・沖縄防衛局長及び中谷元・防衛大臣に送付した。
二見以北10区は辺野古に隣接し、1997年に新基地計画が浮上して以来、各区で反対決議を上げ、地域一丸となって建設に反対してきた=写真=。一方で、進行する過疎化・高齢化に悩む地域でもある。
政府・防衛省はこれに付け込み、反対の民意を崩そうと、あの手この手の「アメ」で地域住民を翻弄してきた。過疎地ゆえ後回しにされてきた診療所も学校の体育館も防衛省予算で作られ、新基地を受け入れた島袋吉和市長時代には、基地建設への協力金とも言える米軍再編交付金で「二見以北交流拠点施設」が建設されたが、同時に地域コミュニティの分断や破壊も進んだ。「国策」に抗する地域への常套手段だ。
その後、2010年から2期8年、新基地反対を貫いた二見以北出身の稲嶺進市長から基地容認の渡具知武豊現市長に替わり、辺野古側の埋立がほぼ終わり大浦湾側の工事が始まるのと軌を一にして、二見以北の「取り込み」が再開された。
今回の防衛局のやり方はより巧妙だ。10区の区長で構成する「二見以北地域振興会」から要請させ、住民の抵抗感の強い再編交付金ではなく、特定防衛施設周辺整備調整交付金(いわば既存基地の迷惑料)を原資とし、それも防衛省からの直接交付でなく、現市長の与党多数の市議会で「二見以北コミュニティ事業」予算を可決(野党は反対)し、名護市からの補助金という形を取っている。
各区では、「住民には何の説明もない」「新基地を認めさせるための毒まんじゅう」「議会で決まっているから反対できない?」「区長たちのやり方がおかしい」など騒然となった。住民はこれを認めていないこと、元凶である防衛省・沖縄防衛局に、ひも付き「振興策」の撤回を求めたのだ。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年7月25日号
2025年08月19日
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