2025年08月21日
【関西支部リポート】工事代金未払い多発 万博のパビリオン、泣く下請け=幸田 泉
4月に開幕した大阪・関西万博=写真=で、海外パビリオンの建設を巡る悲劇が起こっている。建設工事代金を支払ってもらない下請け業者らが、倒産の危機、生活困窮状態にあるのだ。
工事代金の未払いは8館で判明。ネパール館はネパール政府が工事代金を支払わず、今年1月から工事が中断していたが、ネパール政府が金を払ったことで6月に工事が再開した。その他7館は未払い問題を抱えたままオープンしている。アンゴラは三次下請け会社が金を持ち逃げ、アメリカは二次下請け会社が倒産、中国、マルタ、ルーマニア、セルビア、ドイツはいずれも元請け会社が金を払わないケースだ。
フランス資本のイベント会社「GLイベンツ」は、マルタ、ルーマニア、セルビア、ドイツの四つのパビリオンで元請けをし、4館とも問題を起こした。世界各国でオリンピックやサッカーワールドカップなどに関わってきたグローバル企業だが、未払い被害者らによると万博での仕事ぶりは滅茶苦茶だったという。必要な図面がないまま工事をさせれられ、工事途中で変更が多発。壁や天井に塗ったペンキをすべて塗り直したり、タイルを張り替えたりと無駄な出費と労働が繰り返された。下請け業者らは家にも帰れず、仮眠しか取れずに突貫工事で奇跡的に開幕までに仕上げたが、GL社は4館合わせて3億円超の支払いを踏み倒している。
支払いがなく追い込まれているのは中小零細企業や一人親方たちで、万博協会や大阪府に救済を求めているが、どちらも「民間業者間の問題」だと、まるで他人事である。
万博協会はパビリオンの使用許可を取り消さず、何事もなかったかのように運営を続けている。万博協会の副会長でもある吉村洋文・大阪府知事は、万博は楽しい、素晴らしいと来場を呼び掛けることばかりしている。大阪の夢洲で繰り広げられているのは、パビリオン建設に尽力した人々の犠牲の上に成り立つ異常なお祭り騒ぎだ。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年7月25日号
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