2025年08月28日

【出版トピック】“差別的な内容”と抗議を受け、「週刊新潮」コラム<変見自在>終了

 「週刊新潮」7月31日号で、元産経新聞記者・高山正之氏が連載執筆のコラム<変見自在>において、人権侵害や外国人への差別的な一文を掲載した。「創氏改名2.0」と大見出しを付け、外国にルーツがある作家などの名前をあげ、「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」などと書いた。
 その中で名前をあげられた一人、作家の深沢潮さんは差別的な内容だとして、新潮社に文書での謝罪を求めていた。新潮社は8月4日、公式サイトで「厳しいご批判を受ける事態になった」とのお詫びを発表した。

 だが、そのお詫びは、誰が何に対してどんな謝罪をしているか、まったく曖昧だ。深沢さんのほか、外国にルーツを持つ研究者やジャーナリストなども名前を挙げ、差別意識むき出しのヘイトを加えているのだ。彼らに対してはなんの謝罪もないのか。これで深沢さんたちが納得するはずがない。
 公共の言論を支える出版社が、差別と排外主義に加担した責任は極めて重い。経緯の検証も説明もなく、体面を取り繕うような姿勢に徹して、うやむやに済ましてはならない。
 とりわけ新潮社は、過去にも同種の問題を引き起こしている。2018年には、同社の「新潮45」誌に、杉田水脈衆院議員(当時)の「性的少数者のカップルは生産性がない」などという、トンデモ文章を載せて大批判を浴び、ついに「新潮45」は事実上の廃刊に追い込まれている。

 この「週刊新潮コラム問題」に孕む深刻な内容につき、朝日新聞を始め、毎日新聞や信濃毎日新聞では社説にも取り上げ、改めて人権侵害や排外主義について、広く問う論陣を張っている。その参考に信濃毎日新聞の社説(8/21付け)を紹介したい。
 <挙げ句、唐突な連載の打ち切りである。20年以上続いていた高山氏のコラムは、昨日発売された8月28日号が最終回となった。欄外に「高山氏と編集部で協議の結果」とだけ記され、コラム本文にもそれ以上の説明はない。
 これで幕引きを図ろうとするなら、あまりに誠実さを欠く。終わりにすれば文句はなかろう、と踏んだかのようだ。筆者である高山氏の責任はもとより、掲載した週刊新潮と新潮社の責任も、何も明確になっていない。(中略)
 少数者への差別は根深く社会にはびこる。先月の参院選では「日本人ファースト」「違法外国人ゼロ」といった表看板を掲げて、各党が排外主義を競い合うような状況さえ生まれている。
 報道や出版を担うメディアのあり方が一層厳しく問われる。新潮社はその責任に向き合い、自ら姿勢を正さなくてはならない>
          
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 週刊新潮のコラムへの抗議のため新潮社の書籍撤去を知らせる案内=8月19日午後 東京都日野市の書店「本屋とキッチン よりまし堂」(沖縄タイムスより) 
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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