2025年10月27日

【焦点】中国台湾統一国是だが、習主席は武力侵攻を回避 ウクライナ侵略のロシアの死傷者数増加にためらう=橋詰雅博 

 台湾有事を巡る中国の出方について米政権内の見方は二つに分かれている。
トランプ大統領は、10月20日、記者団から中国軍が台湾に侵攻する可能性を問われ「中国はそんなことはしたくないだろう」と答えた。そのうえで「習国家主席にそうした様子はまったくみられない」「台湾は彼にとって非常に重要な存在だろうが、何かが起こるとは思わない」と述べた。一方、米情報機関は2027年までに中国軍が台湾に侵攻できる能力を保有すると分析。これを根拠に侵攻の可能性は高いという武力行使説は少数派だが、根強く残る。

 27年といえば、習主席体制の3期目の最後に年に当たる。中華民族の偉大な復興を目指す習主席は、念願の台湾統一を果たすことで27年から32年の4期目の権力の座を確実にしたい。これが習主席の狙いだという。
 米国は、中国本土と台湾は不可分という中国の立場は尊重するが、台湾の安全保障に関与するという姿勢を堅持している。だから米中が国交正常化した1972年に制定した台湾関係法の基づき台湾の軍事力支援ため武器を売却してきた。トランプもその方針は崩していない。ただ本当に台湾有事が勃発したらトランプが米軍を前線で中国軍と戦わせるかは不透明だ。代わりに日本がその役割を担うという見方がもっぱらだ。

 トランプの見方と同じなのが、台湾有事に関し8月23日にJCJオンライン講演に出演した大東文化大学東洋研究所の鈴木隆教授。鈴木氏は「中国の台湾侵攻の可能性は低い」と前置きしこう語った。
 「確かに習氏は台湾統一を唱えていますが、もしも中国軍は負けたら共産党体制は動揺し、自分の地位も危うい。それを常に意識しています。ウクライナに侵攻したロシアの死傷者数は20万以上とされています。20万以上と言えば、日本の自衛隊の人数に匹敵します。台湾侵攻で中国軍に20万以上の犠牲者が出たら永続化を使命とする共産党体制瓦解の恐れがあります。極端な話、中国軍が一人も犠牲にならないならやるかもしれないが、それは担保されていません」
 危険な橋は渡らないというのだ。

 そもそも台湾住民の半数以上は現状維持を望む。そんなところに軍事進攻して統一を果たせたとても火種≠抱え込む。台湾で反中国派との正面衝突が起こり得る。中国関与の紛争地帯を増やすことになり、本土への影響は計り知れない。
 
 従って習主席は28年の台湾総選挙に向けて軍事的脅威を強め、サイバー攻撃などの工作で自分のいうことを聞く親中国政権を誕生させる作戦というのが鈴木教授の見立てだ。
 台湾有事を口実に軍拡に走る日本、軍事力増大にブレーキをかける時期に来ているのではないか。
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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