2025年12月15日

【映画の鏡】地元テレビ局が底力を発揮『原爆資料館〜語り継ぐものたち〜』豊富なアーカイブを集大成=鈴木 賀津彦

「原爆資料館」展示入れ替え(イメージ写真).jpg
               広島ホームテレビ
 11月28〜30日に開催される今年の広島国際映画祭のクロージング作品として上映される、広島ホームテレビ開局55周年事業・被爆80年記念作品のこのドキュメンタリー映画に注目している。

 開館70年を迎えた広島平和記念資料館。「壊滅した街で始まった“ガレキの展示室”が、どのようにして世界有数の「悲劇の記憶の博物館」となったのか─」。監督は長年取材してきたベテランと若手の2人のテレビマン、立川直樹、斉藤俊幸の両氏。地元局だからこそ持つ55年間の豊富なアーカイブ映像を駆使し、初代館長・長岡省吾氏の思いから始まった資料館の歩みと平和への思いを描いている。

 立川直樹監督はこう語る。「原爆資料館の取材は広島の報道記者にとって必ず通る道で、自分も記者になりたての頃は、各国の要人が視察に来たときや、核実験があったときなど、度々取材に行っていた。広島市政担当になってからは、とある元資料館長の密着取材を通じて、原爆の記憶の継承や平和を求める執念にも似た思いに触れてきた。学芸員さんには、その知識と見識の深さにいつも頼らせていただいていたし、地下の資料室に入り浸ったこともあった」と。

 映画はそんな記憶を受け継いできた様々な人たちにフォーカス。「自分が見てきた方々の熱い想い、先人の方々の取材、そして若手ディレクターが取材した新たな取材とともに、その歴史の一端を表現できた」と力を込めた。
 地域に根差したローカル局が底力を発揮し、新たな作品の形への挑戦だと受け止めた。今後の全国上映にも期待したい。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年11月25日号 
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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