昨年11月28日、沖縄防衛局は辺野古新基地建設に向けた大浦湾での「初の本格的な埋立開始」を大々的に発表。同時に、6月から姿を消していたサンドコンパクション船(海底の軟弱地盤改良のための砂杭打設船)6隻も大浦湾に戻り、12月19日から作業を再開した。
しかしこれらは、工事の大幅な遅れを取り繕い、1月25日に投開票される名護市長選に向けてのパフォーマンスで、実際の工事はほとんど進んでいないと思われる。
現在の埋立進捗率は未だ16〜17%だが、次年度予算を含めた工事経費は、防衛局が発表している総工費9300億円の90%以上に達すると地元紙は報道した。
12月20日、名護市内で海砂採取を巡るシンポジウムが開催された。沖縄では日本復帰前後の1970年頃から、公共工事のコンクリート骨材として沿岸部の海砂が大量に採取され、さまざまな被害をもたらしてきた。大浦湾の軟弱地盤改良工事に使用される海砂は沖縄全体の年間採取量の3年分に当たると言われ、危機感を持つ多くの市民、県民が参加した。
瀬戸内海で海砂採取による深刻な環境破壊・漁業被害を告発、住民運動によって採取全面禁止を勝ち取った環瀬戸内海会議共同代表の湯浅一郎さんは、海洋保護区からも採取されている沖縄の現状について、総量規制の必要性を訴えた=写真=。
湯浅さん含め参加者が最も衝撃を受けたのが、大宜味村でウミガメの観察・保護を続ける米須邦雄さん(日本ウミガメ協議会会員)の報告だった。砂浜の浸食によってウミガメが産卵できなくなり、産卵しても海水をかぶって孵化しないのだ。
シンポ前日、湯浅さんの沖縄島北部海岸視察に私も同行したが、浜という浜がことごとく、10年ほど前と比べても極端に幅が狭くなり、傾斜が急になっていることを実感し、ショックを受けた。
2026年は、トランプ米大統領によるベネズエラへの軍事攻撃、現職大統領の拘束という暴挙で明けた。「台湾有事」を口実にした急速な軍事化が進む沖縄にとって他人ごとではない。戦争と自然破壊に抗する1年が始まった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年1月25日号
2026年02月21日
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