米軍によって連れ去られた南米ベネズエラのマドゥロ大統領は、ニューヨークの連邦地裁で1月5日に第1回の審理が行われた。次回は3月17日だったが、26日に延期された。
マドゥロ大統領は、@麻薬輸入の共謀、A麻薬テロの共謀、B機関銃や破壊装置の所持、C機関銃や破壊装置の所持に関する共謀―この4つの罪で起訴された。麻薬に関しマルコ・ルビオ米国務長官は、「マドゥロは国を乗っ取った麻薬組織『カルテル・デ・ロス・ソレス』のリーダー」と言っている。
しかし、この麻薬組織は存在しないと1月25日JCJオンライン講演に出演した南米研究者の新藤通弘氏は言う。
「元国連薬物犯罪事務所(UNODC)所長のピノ・アルラッチ氏は25年8月にその存在を明白かつ詳細に否定。コロンビアのペトロ大統領も『ソレス・カルテルはない。それは極右が政府を打倒するための架空の口実に過ぎない』と述べている。米ワシントン・ポスト紙も同様な報道をしている」。
またベネズエラの麻薬マフィア「トレンデアラグア」は昨年1月に治安当局によって壊滅された。「トレンデアラグア」はマドゥロ政権が運営していたとも言われたが、「最近機密解除された米情報機関の報告書は運営について指揮も支援もしていないと結論付けている」と新藤氏は語った。
機関銃絡みについて新藤氏は「暗殺の危険性があるので所持は当然ではないか」と指摘した。罪というには無理があるのではないか。
1回目の裁判でマドゥロ大統領は、「私は戦争捕虜だ」と傍聴席に向かって叫んだ。戦争捕虜は戦闘行為に参加したという理由だけでは罪に問われることはないとジュネーブ条約で定めている。さらに「自分は今も大統領だ」と繰り返し強調した。国際法では、現職の国家元首には外国での訴追免除が認められている。
「戦争捕虜」と「元首の免責論」が裁判の大きな争点になりそうだ。
トランプ米政権はロシアと中国への西半球支配を誇示し、原油などの資源獲得を狙いマドゥロ大統領の麻薬関与の罪をでっち上げたのではないか。
2026年02月27日
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