NHK会長の不透明な選出の是正などを求めてきた「市民と共に歩み自立したNHK会長を求める会」は1月26日、井上樹彦NHK新会長に「公開質問状」を提出し、NHK放送センター前で報告集会を開催した。
井上氏は昨年12月、政治圧力に屈し忖度するのは「(報道機関の)根幹の生命線を傷つける」と会見で述べたが、昨年11月30日付「朝日新聞」は、3年前の稲葉会長、井上副会長人事は岸田文雄首相・麻生太郎副総裁らが決めたと報じ、政治介入を暴露した。
会はこうした経緯を踏まえ、「豊富な政治記者経験を持つ新会長はどう改善するのか」と質し、「12月会見で表明した『政治圧力に抗い、NHKの放送の自主・自律を堅持を」と重ねて迫った。
大川原化工機の冤罪事件がなぜ起きたのか、警視庁の裏側を暴いた「NHKスペシャル」など、最近でも優れた番組は少なくない。だがその反面「ニュース7」や「NW9」などニュース報道はあまりにお粗末だ。こうしたニュースの現状に視聴者だけでなく、NHKのOB、OGも危機感を抱く。
「会」の共同代表の永田浩三さん(元NHKプロデューサー・武蔵大学名誉教授)は「昔は何が問題なのかを伝えないニュースは尻抜けニュース≠ニ怒られたが、今のNHKニュースは尻抜け≠ェ当たり前になっている」と報告集会でニュース報道の現状を批判。
「政治圧力、政治介入でNHKに自粛、自主規制、自発的隷属、忖度などが生じた」「自民党に媚びへつらい、本当のことを伝えないわい曲したニュースの量産」。「永田町が怒るかもと恐怖を煽り、それを利用してNHK内でのプレゼンスを挙げようとする動きも出た」とNHKの現状を紹介。
「自主・自律を守ってきたしこれからも堅持するというが、それを真に受ける人はいない」と指摘する一方「井上さんは記者たちの悲しさ、切なさ、悔しさが判るはず。新リーダーとして政治への隷属と決別し、ニュースもどきの追放を」と、井上新会長にエールを送った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年2月25日号
2026年03月15日
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