2026年03月20日

【お知らせ】JCJとして「立ち向かっていく」ということ=古川英一(JCJ事務局長)

 一夜にして私たちの政治の風景は塗り変わりました。いま私たちは、呆然と立ちすくんでいるのではないでしょうか。東京でも大雪となった真冬の衆議院選挙は、自民党が単独で議席の3分の2余りを獲得しました。
 
 解散する大義も必要もないこの選挙で、高市首相が訴えたのは「私を首相として選ぶのかどうか」「国論を二分するような政策実現させてほしい」というものでした。普通に考えれば、まずその政策を国会で論議したうえで、国民に信を問うのが筋でしょう。しかし高市首相は政策についても明確にしないまま、いわば白紙の委任状を出すように有権者に迫ったのです。こうした事に危機感を持つ人たちは警鐘を鳴らしましたが、選挙は「高市推し活」「人気投票」にすり替わり、おそらくは本人が想像していた以上の自民党の歴史的勝利となったのです。

 ドイツの政治学者のカール・シュミットは「政治とは友と敵を峻別すること」と喝破しましたが、高市首相は今回の選挙でそれを見事に実践、今後の政権運営で「私に入れなかった」人たちは敵とみなし、国民を分断することを厭わないでしょう。

 今回の選挙ではメディアの報道にも疑問が残りました。正月明け早々、読売新聞が「首相が衆院解散検討」と一面でスクープ、政府・自民党関係者ですら寝耳に水のことで激震が走りました。それからしばらくして高市首相は思わせぶりに記者会見、30分間、テレビのカメラを前に滔々と語りました。こうした経緯を見ると、読売のスクープは、結果的に観測気球となってアナウンス効果をあげ、高市首相の解散戦略の一翼を担ってしまったのではないか。メディアが権力をチェックするのではなく逆に権力に取り込まれて利用されてしまったのではないかと危惧するのです。。一方、高市人気が若い人たちを中心にSNSで拡散されたことは、公平な選挙の元でのSNSというメディア空間の在り方を、私たちに問うものとなりました。

 戦後80年、日本がとにもかくにも守ってきた平和憲法のもとでの「戦争をしない国」は、高市政権のもとで「戦争ができる国」へと向けた動きが一層加速化していくことが現実味を帯びてきました。
 「国論を二分する政策」の一つは安全保障の問題です。高市首相は選挙後の記者会見で、防衛費増額や、安保関連三文書の改定、非核三原則の見直し、国家情報局の設置、さらにスパイ防止法の制定などに取り組んでいくことを強調しました。「日本を強くする」という掛け声のもと、市民の自由は失われ、対話による世界平和の試みも封殺されていくでしょう。。  

 さらには憲法改正の発議ができる議席を確保した高市政権は念願の憲法改正にも意欲を示しています。そうなれば日本は「戦争をする国」へとさらに変容していくのです。それは戦後80年の平和国家の歩みを否定し、戦前へ回帰することになるのです。

 私たちJCJは、ジャーナリストや市民が共に、メディア・ジャーナリズムを通して、平和で差別のない社会を目指す団体です。戦争へと向かう道の同伴者には決してなりません。そう思うと、いつまでも呆然としてはいられません。
 「白紙委任状」をかざして、これから高市政権が推し進めようとする軍拡の動きに対して、JCJは市民との輪を広げながら立ち向かっていきましょう。決して諦めることなく。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年2月25日号
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | お知らせ&行動要請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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