c日本電波ニュース社
自民党が圧勝した衆院選後、改憲・軍拡へと勢いづく人々にこそ、このドキュメンタリーをぜひ観てもらい、考えてほしい。戦争は戦場だけでは終わらないことを。
終戦から80年、語られてこなかった心の傷は今も残る。「近年、帰還兵の多くが深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えていた事実が、ようやく明らかになりつつある」という。「癒されなかった心の傷は、DVや依存症という形で子や孫へと受け継がれることがあり、肉親間の断絶を引き起こすこともある。その連鎖を、いかにして断ち切ることができるのか」(作品説明から)
このテーマを島田陽磨監督(日本電波ニュース社)は、戦争PTSDの帰還兵の父から激しい虐待を受けて育った女性など、世代を超えて連鎖していくトラウマと向き合う3人の苦悩に密着し、掘り下げていく。戦争の傷跡は家族の記憶の中で今も続いているのだ。
前作の映画『生きて、生きて、生きろ。』では大震災と原発事故被害による福島での遅発性PTSDを追った島田監督。本作では時の政権から「戦地へ行け」と命じられ何人もの人を殺した兵士たちを、加害と被害の両面から捉え、帰還兵家族たちの「生きづらさ」の原因を問うていく。
「戦時中、天皇の軍隊に精神疾患は存在しないとして患者たちはその存在を隠蔽され、戦後も家族たちは誰にも相談できないまま口を閉ざしてきた」。その辛く悲しい事実を掘り起こし明らかにすることが、今こそ求められている。
3月14日から東京・ポレポレ東中野で公開、順次全国上映。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年2月25日号
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