高市早苗首相の官邸内の近況をめぐる『選択』2026年4月号の記事が波紋を呼んでいる。「幹部が嘆く官邸機能の『崩壊』 高市が『退陣』を口にした夜」という記事だ。『選択』は会員だけが読める「三万人のための」月刊誌だ。
3月24日夜、高市首相は官邸に招集した政府関係者の前で激昂し、「あいつに羽交い締めにされた。許せない。切るつもりでいる」と息巻いたとされる。
早速、『週刊新潮』と『週刊文春』が4月16日号で『選択』の記事を後追いしている。新潮によると、「目下、永田町は高市氏と内閣官房参与の今井尚哉氏(67)が、大ゲンカした話で持ちきりである」といい、「記者会見に及び腰の高市氏は、自らのSNSアカウントでつぶやくことが増えている」という。
文春によると、高市氏から嫌われている人物がいて、自民党の石井準一参院幹事長と、もう一人は今井尚哉氏だという。文春が今井氏に官邸を通じて質問状を送付したところ、「本人から編集部に電話があった」という。今号で今井氏の返事を記事にしている。
今井氏は「高市総理に色々アドバイスを求められた時は、資料も添付してメールでやり取り」すると言い、「あの『選択』の記事は、私が部屋に乗り込んで恫喝したって言ってたでしょ? あれは一〇〇%事実ではありません! 乗り込んでいませんし、恫喝した覚えもありませんし、それから自衛隊派遣について、高市さんと直接やり取りしたこともありません」と否定している。
高市氏の首相官邸の「隠し部屋」に出入りを許されているのは木原稔官房長官、尾ア正直官房副長官、佐藤啓官房副長官という三人の親衛隊しかいないという。
高市首相は故・安倍晋三元首相と比較されることも増えている。『週刊ポスト』4月17日・24日合併号は、「盟友、ブレーン、番記者、天敵までが語りつくした! 安倍晋三と高市早苗どこが違うか 2人を知る8人の証言」を特集した。元経産官僚の古賀茂明氏は「高市さんと安倍さんの大きな違いは党内基盤」と指摘する。派閥もなく資金力もない高市氏が「支持率」をもとに1年半後の自民党総裁選を乗り切ることができるのか。
国会前をはじめ日本全国で繰り広げられる市民の反戦デモを雑誌媒体は、ほとんど取り上げていない。後世の歴史家はこの時代の雰囲気をつかむのに苦労するだろう。「支持率」頼みの高市政権を本当に揺るがしているのはデモである。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月02日
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