高市早苗首相は、非常に頑固だ。
自ら国会を解散した時期から計算したら、予算の年度末成立は無理だと誰が考えても分かる。しかし、高市は、年度を越えて予算審議が続いた際も、「出来るだけ最短で成立させよ」と側近に告げたと新聞で報道されている。「独り相撲が際立つ」との見出しも付いているほどだ。
高市の「頑固さ」は最近、多く表面化するようになってきた。
私がこの間、高市の「頑固さ」を感じたのは、「憲法」「アジア太平洋地域」という言葉を、自ら話すときには絶対に使わないことに気付いたからだ。
日米首脳会談のために訪米する前、国会審議で野党から「トランプ大統領から、自衛隊をホルムズ海峡の安全通行のために派遣してほしいと言われたら、どうするのか」と質問され、高市は「法律の範囲で、できることとできないことがあるので、それを大統領に説明する」と答弁した。「憲法の許す範囲で」とは決して言わなかった。まして「憲法9条があるから、それは出来ない」とは口が裂けても言わないのだろう。公務員に順守義務を課している憲法だが、高市は「9条だけは守りたくない」思いが「あからさま」である。
また、「日本は東洋の先進国として、アジア平和にどう貢献するのか」などと聞かれた際、高市は「アジア太平洋」と決して言わず「インド太平洋」と言い続けている。「アジア太平洋」と言えば、聞く人は、そこに中国が入ってくることを、まず思い浮かべる。これを嫌って高市は「インド太平洋」としか言わないのだろう。「頑固」に、これも死守しているように思われてならない。「中国嫌い」が骨の髄まで沁み込んでいると思われる姿勢ではないか。
高市は国会答弁で「台湾有事発言」をした後、中国が大反発して日本を「敵対国」のような扱いに転じても発言撤回はしなかった。日本の貿易相手は中国が世界最大なのだから、高市は自分の発言が日本経済に大きな悪影響を及ぼすことに考えが回らなかったと思う。
また、日本の中国大使館に幹部自衛官が刃物を持って侵入した際も高市は、防衛相・小泉進次郎とともに「遺憾だ」としか言わなかった。これこそ、幹部自衛官が中国大使館という日本の中の「中国に侵入した」ことの重大犯罪には、誰が考えても謝罪すべきだ。
しかし、「中国嫌いの高市」は、中国に頭を下げることを考えたこともないのだろう。一議員ならそれも「思想」として許されるだろうが、首相では決して許されない。
そもそも日本はアジア・太平洋戦争時、中国に何をしたのか。その反省する姿勢を、みじんも感じさせない高市の姿勢は世界各国から、「日本は80余年前の蛮行を忘れたのか」と指弾されているのではないか。「頑固」は「個性」とも言えるものの高市には「反省」する「謙虚さ」のかけらも見えない。(敬称略)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月08日
この記事へのトラックバック


