「失われた30年」。それは、日本の軍事化、外資支配の拡大など、日本の自主的枠組みが根底から覆された歴史でもあった。弱体化する日本経済を蝕み、対米従属構造、 国民の共有財産を奪い取り、平和を脅かしている実態を、「金融化、民営化、軍事化の罠」をキー ワードに、分析解明しているのが本書である。
かつて「政治は三流、 経済は一流」ともいわれていた日本だが、その経済も三流に低落してしまった。そのツケが経済的社会的格差の拡大、多数派国民の一層の貧困化であった。国民の貴重な財産である郵便貯金を外資に売り渡した「郵政民営化」、その轍を年金基金でも踏みつつある。
財政投融資の解体など外資主導の経済の金融化が進む中で、日本の強みとされていた「モノづくり」は、その力を急速に失っている。世界一を誇った造船や鉄鋼など重厚長大産業から半導体、再生エネルギー分野など先端産業に至るまで、世界での日本の存在感は低下の一途を辿っている。
その一方、「強靭な日本」に邁進する自民党政権下で、活況を呈しているのが軍需産業。「殺傷可能な」軍事物資まで輸出へ躍起となっている。
「戦争ができる国」へ の変貌を遂げつつある現在、かつて日本共産党の衆議院議員として論陣を張ってきた著者は、こう警鐘を鳴らして結ぶ。
「歴史の歯車を再び息詰まるような暗い時代に逆転させるのか、それとも明るい未来に向け前に進めることができるのかが問われています。その方向を決めるのは、私たちの行動いかんにかかっているのです」(新日本出版社2400円)
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