◆紙書籍販売金額581億8800万円(前年比1.8%減)
書籍348億4200万円(前年同月比0.7%減)、雑誌233億4500万円(同3.4%減)。雑誌の内訳では、月刊誌が前年同率、週刊誌が前年同月比22.5%減。返品率は書籍が同2.7ポイント減の37.4%、雑誌は同2.4ポイント減の48.9%。
書店店頭での売れ行きは、書籍が約4%増で、文芸書約20%増、文庫本約5%増、学参約3%増、ビジネス書約4%増、児童書ほぼ前年並み、新書本約6%増、書籍扱いコミックス約26%増。雑誌は定期誌が約1%増、雑誌扱いコミックスが約1%増、ムックが約7%減。
◆「国旗損壊罪」日本ペンクラブ反対表明
日本ペンクラブ(桐野夏生会長)は、日本の国旗を傷つける行為を禁じる「国旗損壊罪」を創設する法案について反対の姿勢を示した。
「国旗損壊罪については、市民の思想や表現の自由を強く制約する可能性が高く、「国旗である日章旗を損壊する行為を、他の器物と区別して特に重罪を加えることに、合理的な理由は見つけることはできない」などとして、反対の立場だと明らかにした。
高市政権は「異論を排し、自らの政治的主張を実現することに必死」だとし、「国を縛るために存在する憲法を、国民を縛るためのものに変えようともしている」と批判。徹底した情報公開や、異なる意見を尊重した対話を国や社会に求める考えに基づいた「宣言」も発出した。
また、桐野会長は現代においてペンが持つ力について、「言葉の力は人間の想像力を個々に育てるという意味で本当に力強いものだと思う。表現の自由を大事にしていかないと、この国の姿が変わってしまうのではないかという危機感を持っている」と語った。
◆出版産業の仕組みが変わる
日本出版販売(日販)は、物流の閉塞・出版不況・高い返品率などが影響し、取次事業が大きな赤字に陥るなか、出版社へ取引条件変更などの要請を開始する。戦後、書籍・雑誌の取引・流通モデルをパターン化して、ほかの国では見られない低コストで高頻度の出版流通を実現し、出版産業の成長を支えてきた。この仕組みが大きく変わろうとする。
変更要請の概要は出版社に対し、返品率抑制と収益性向上を目的に、「PPIプレミアム」などの取引構造改革の一環として、掛け率や返品条件の見直しを含む取引条件変更を要請。これは出版社・書店・取次の三者で在庫や販売方法を見直し、低返品・高収益なスキームへ移行する流れの中で行われる。
具体的には掛け率(仕切り)の見直しによる取次側マージンの確保。出版社側に対する返品条件の厳格化や事前申込型の配本へのシフト。在庫連携システムを用いた「ネットワーク在庫」による適正在庫化━などが挙げられている。
◆島根県大田市「無書店状態」解消
2年間書店がない状態が続いていた島根県大田市は、新規書店開設にあたって10年間で総額5500万円を助成する支援制度を設け、誘致を進めた結果、この6月に今井書店が市内のショッピングセンターの一角に、広さおよそ290平方メートルの店をオープン。
楫野市長は「開店して終わりではなくいつまでも続くように市民と一緒に盛り上げていきたい」とあいさつし、今井書店・達山会長は「市民のニーズや購買傾向を学習して大田にあう店舗を作っていきたい」と話した。
◆那覇店にシェア本棚オープン
ジュンク堂書店はシェア本棚サービス「cuebooks(キューブックス)」を那覇店に導入し、店内にシェア本棚のエリア「cuebooks naha」を設ける。8月14日にプレオープン、9月9日にグランドオープンを予定。棚数は160棚、月額利用料金は税込4500円から。
「cuebooks」は丸善ジュンク堂書店が展開するシステムだが、ジュンク堂書店・大阪本店で、このシステムを初導入。沖縄・那覇店にも導入することとなった。棚主はジュンク堂書店のエプロンの着用や、シェア本棚エリアでのイベント開催などが可能。大型書店ならではの特典を用意している。
◆紀伊国屋書店、3期連続最高益
出版不況といわれる中で、紀伊国屋書店の業績が好調だ。2025年8月期に3期連続で最高益を更新した。また海外での販売が急増し成長の源泉となっている。海外の書店チェーンがグローバル展開する例は、ほとんどない中、同社は10カ国・地域で48店舗を運営する。1969年に米サンフランシスコ、83年にシンガポールへ出店し海外展開を進めてきたが、この数年は世界各国で出店ペースが加速している。海外事業の売り上げは5期前の2倍以上になった。その流れを受けて、紀伊国屋書店・高井会長は「海外100店舖を目指す」と宣言している。
◆図書カード発行高250億2600万円
日本図書普及は2025年度の決算を発表。図書カードNEXTの発行高は250億2600万円(前年比3.9%減)、回収高は249億8300万円(同6.6%減)となった。加盟店は4778店(同149店減)、読取機設置店は6163店(同326店減)。売上高は1億2030万円(同773.4%増)、当期純利益は6億9769万円(同37.4%減)。今年1月、子会社の潟Jードサポートが担う販売事業を本社に移管したことで売上高が大幅に伸びた。ただし全盛期が売上高700億円だった時を思えば格段の減少は否めない。
◆「デジタル教科書」正式採用
動画や音声などを組み込んだ「デジタル教科書」を、正式な教科書とする改正学校教育法が成立した。これまで「教材」の位置づけだった動画などのデジタル素材も正式な教科書として国が検定し、質を担保する。2030年度にも変わる、次の学習指導要領に合わせて、正式な教科書として順次、使われ始める。
導入後、教育委員会などは、紙のみ▽紙とデジタルを合わせた「ハイブリッド」▽デジタルのみ――の3通りの形態の中から、どの教科書を採択するかを選ぶことになる。
文部科学省は、視力に与える影響やデジタル情報の処理能力など児童生徒の成長を踏まえ、どの学年に3通りのどの形態が適しているかを今後、有識者による会議で議論する。また、デジタル教科書での授業で、紙を使った学習をどのように採り入れるかも検討。今秋にも指針として示す予定だ。
2026年07月05日
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