2026年05月26日

【改憲反対集会@】「NO」の声が沸く 高市政権の姿勢に懸念

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       国会周辺は3万人の市民で埋め尽くされた=4月8日、伊東良平撮影
 衆院選の自民の歴史的大勝で、にわかに活気づいた改憲勢力。その旗振り役は9条改憲に意欲的な高市首相だ。衆院で単独でも発議可能な議席獲得をうけ、高市首相は2月9日、党本部での会見で「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。国の未来をしっかりと見据え、改正に向けた挑戦も進めていく」と早速、改憲に前のめりの姿勢を露わにした。一方、2015年の安保関連法成立から続く憲法改正に反対する市民の国会前デモ参加者は衆院選直後から急増。2月27日3600人、3月25日約2万4000人と、全国各地に広がった。4月8日提起された「緊急アクション」は全国165カ所で開催された。国会前の参加者は約3万人。オンライン参加者7万人を加えると10万人に達した。高市首相は12日、自民党大会で「時は来た。1年後に発議のめどをつけたい」と表明。直後19日の国会前には3万6000人が結集。5月3日に向けてさらに弾みがついた。

 高市政権による改憲実現への暴走に抗う「平和憲法を守るための緊急アクション」は4月8日夜の東京・国会議事堂周辺をはじめ、全国でさまざまな形で展開された。
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 主催者発表で3万人が集結した東京の国会前では、有志がJCJ旗を持参し、議事堂周辺で存在をアピール=写真=。周囲では色とりどりのペンライトが揺れる中、「戦争をしたがる首相はいらない」など、平和を願う多様な訴えの声が響いた。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号 
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2026年05月25日

【福島支援と脱原発】オンライントーク「戦争と原発」ゲスト:鈴木達治郎さん 6月9日(火)午後2時から3時30分=国際環境NGO FoE Japan

 世界で相次ぐ戦争は、原子力関連施設が攻撃のターゲットになる危険性を私たちにつきつけています。

また、フランスのマクロン大統領が、「民生用原子力がなければ軍事用原子力はなく、軍事用原子力がなければ民生用原子力もない」(2020年12月)と述べているように、核の民生利用と軍事利用を切り離して考えることはできません。

 世界の「現役核弾頭」の数は現在9,615発。2018年以来、増加が続いています。また、世界各国が保有する分離プルトニウムの量は増加傾向が止まっていません。日本が保有するプルトニウムの量は44.4トン(2025年8月)。これは非核保有国としては突出した量となっています。

こうした状況を私たちはどのように考えればよいのでしょうか?

このたび、核軍縮・不拡散の第一人者である鈴木達治郎さんをお招きし、国際情勢を踏まえて「戦争と原発」についてお話しいただきます。

形式 オンライン開催:Zoomウェビナー方式
ゲスト 鈴木達治郎さん(NPO法人ピースデポ代表・長崎大学客員教授)
申し込み https://foejapan.org/issue/20260519/29705/
参加費 無料/ご寄付歓迎
【鈴木達治郎さんプロフィール】
NPO法人ピースデポ代表・長崎大学名誉教授。前長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)教授・副センター長。元内閣府原子力委員会委員長代理。工学博士(東京大学)。専門は原子力政策、核不拡散、核軍縮。国際科学者組織「パグウォッシュ会議」評議員も務め、技術と政策の両面から核問題の解決に尽力している。
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2026年05月24日

【おすすめ本】山口 二郎 『現代ファシズム論──何が民主主義を壊すのか』―危機にある現状を分析 打開に向けた処方箋提示=鈴木 耕(編集者)

 どんな独裁国家でも「ファシズム国家だ」と言われるのは、断固として拒む。どんな人間(ことに政治家)でも「ファシスト」と呼ばれると激怒する。それほど「ファシズム」とは負のイメージの強い言葉だ。

 だが、いつの時代でもファシストは存在し、民主主義に敵対してきた。ファシズムの歴史を踏まえ、危機にある現状への処方箋を記したのが本書だ。著者は現代政治学の第一人者。その研究成果が簡潔にまとめられ、まことに分かりやすい。
 「民主主義の前提はいかにして崩れたか」を第2章~第5章で、経済・情報とコミュニケーション・民主主義などの分野別に分けて検討する。第3章ではメディアの問題を取り上げ、ポスト真実とフェイクの時代を検証し、SNSによる政治劣化への危惧を示す。
 現代は民主主義の崩壊過程に入ってしまったのか。第5章で戦後日本政治を分析。安倍政治がもたらした停滞と閉塞の10年。右派ポピュリズムの台頭が現在の高市政権を生み出す。

 第6章ではまさに現在の問題を取り上げる。今や世界はトランプ大統領のデタラメ政策によって大混乱に陥っている。トランプの手法は、21世紀型ファシズムなのか。トランプの思想や彼の支持層の分析を通して見えてくるものを、著者は「ポストファシズムの時代」と言い、経済学者の金子勝氏が名付けた「フェイクファシズム」を示唆的だとも記す。

 終章では「自民党政治、そして日本の民主主義はどこへ行くのか」と高市政治の危険性と対処法を示す。
 評者は、今を「ファシズム前夜」だと感じている。ファシズム当日を迎えさせぬための、これは貴重な提言書である。 (朝日新書900円)  
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2026年05月23日

【普天間基地】返還合意から30年 踏みにじられ続けた民意 「別の長い滑走路」要求 基地の恒久使用・戦場化=米倉外昭(JCJ沖縄)

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    米軍普天間飛行場は沖縄戦の激震地遺構、嘉数高台から一望できる(JCJ資料画像)
 米軍普天間飛行場の返還を日米で合意してから4月12日で30年となった。沖縄の民意は県外移設を求め続けてきたが、日本政府は名護市辺野古への移設(新基地建設)を「唯一の解決策」と主張し続け、強引に工事を進めている。
30年はあまりに長い。沖縄にとっては残酷な歳月だった。選挙や県民投票、県民大会で、県ぐるみで意思表示を重ねても、それを丸ごと無視され踏みにじられることが繰り返されてきたのだから。
今年2月、米国防総省が、辺野古新基地が完成しても「別の長い滑走路を日本政府が選定するまで普天間を返還することはない」という見解を2025年9月に示していたことが明らかになった。
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        地元紙「琉球新報」「沖縄タイムス」の4月12日付特集紙面
8項目合意

 これは、2017年4月に米連邦議会の政府監査院(GAO)が、短い滑走路は米軍の能力低下を招きかねず、より長い滑走路を日本に選定させる必要があると勧告していたことを受けたものだ。
さらにさかのぼる2013年に、嘉手納基地より南の基地返還に関する統合計画の中で、普天間返還の条件として日米で合意された8項目の一つに、その趣旨が盛り込まれていた。
17年6月には、参院外交防衛委員会で当時の稲田朋美防衛相が「米側との条件が整わなければ返還されないことになる」と答弁した際も大きな問題になった。

齟齬は明らか

 今回の報道を受け、小泉進次郎防衛相は「特定公共施設利用法など必要な法的枠組みは既に整っている」とし、高市早苗首相も「日米間に全く齟齬はない」とした。しかし、米海兵隊太平洋基地司令官は「改めて選定する必要がある」という認識を示しており、日米間の齟齬(そご)は明らかだ。
しかし日本政府は、米政府に確認することも、丁寧に説明することもしない。政府の説明では、新基地が完成して引き渡すのは36年である。総事業費はいまだに9300億円としているが、26年中に執行率は90%を超える。沖縄県は2兆5500億円に達すると試算している。
政府は、ごまかして先送りしておいて、いよいよというときには強引に押し切るという魂胆が見えている。今回の長い滑走路問題で、改めてそう痛感させられた。

普天間返還問題は、1995年の米兵3人による少女暴行事件が契機だった。県民の怒りに直面した米クリントン政権は、海兵隊を沖縄から撤退させることもやむなしと考えた。それを止めたのは日本政府だった。

狙いは永久基地化

 30年前に橋本龍太郎首相と共に普天間返還を発表した当時の米駐日大使だったモンデール氏は、2004年や15年のインタビューで「われわれは沖縄だとは言っていない」「彼ら(日本側)はわれわれが沖縄を追い出されることを望んでいなかった」と証言している。誰が沖縄に基地を押しつけているのかは明白だ。

 沖縄県民多数の真意ははっきりしている。市街地のど真ん中にある危険な普天間飛行場は即時閉鎖し、返還されるべきである。県内に新たな基地を造ることは沖縄を永久的に軍事利用しようとすることに他ならない。基地は沖縄経済にとって最大の阻害要因である。
だが、日本と米国による差別と抑圧と懐柔の歴史の中で、沖縄の政治・行政・経済・自治は歪められ、県民は分断させられてきた。「沖縄が再び戦場にされようとしている」という危機感が高まっている今、すべてのメディアは傍観をやめ、沖縄の基地負担の解消の要求と、危険な日米一体の軍事化への反対を明確にするべきである。

       【普天間飛行場返還を巡る年表】
▷1995年9月 3人の米兵による少女への性暴力事件
▷     10月21日 県民総決起大会に8万5千人
▷1996年4月12日 橋本首相とモンデール駐日米国大使が普天間飛行場の5−7年以内の全面返還を発表
▷     12月2日 日米特別行動委員会(SACO)最終報告で沖縄本島東海岸沖に海上施設を建設すると盛り込まれる
▷1997年12月 名護市民投票で反対が過半数
▷1998年2月 大田昌秀知事が政府の海上ヘリポート案に反対表明
▷2004年8月 普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学に大型ヘリが墜落・炎上
▷    11月 名護市辺野古沖のボーリング調査開始
▷2006年5月日米安全保障協議委員会(2プラス2)で辺野古沿岸へのV字型滑走路建設を最終合意
▷2009年9月 移設先を「最低でも県外」とする民主党の鳩山政権発足
▷2010年5月 鳩山首相が県外移設断念を仲井真弘多知事に伝達
▷2013年1月 県内全41市町村、市町村議会議長らがオスプレイの配備撤回と普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設断念を求める建白書を安倍晋三首相に渡す
▷    4月 嘉手納より南の米軍施設を返還する統合計画を日米間で合意(普天間返還条件8項目も)。
▷   11月 沖縄県選出の自民党国会議員5人が辺野古移設を容認会見
▷2013年12月 仲井真知事が埋め立て承認を表明
▷2014年11月 沖縄県知事選で辺野古移設阻止を掲げた翁長雄志氏が初当選
▷2015年5月 新基地断念を求める県民大会に3万5千人
▷2015年10月 翁長知事が埋め立て承認を取り消す。法廷闘争に
▷2017年2月 沖縄防衛局がキャンプシュワブ沿岸で埋め立て本体工事に着手
▷2019年2月 県民投票で埋め立て反対が7割
▷2020年4月 沖縄防衛局が大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に伴う変更承認申請を提出(2021年、県知事が不承認処分)
▷2023年12月 政府が史上初の代執行を実施
▷2024年1月 軟弱地盤が広がる大浦湾側の埋め立てに着手
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号 
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2026年05月22日

【おすすめ本】山ア 裕侍 『償い──綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』―償いとは再犯しないこと 更正に向き合わなぬ社会を問う=八木 絹(ライター)

 事件は忘れられる。とはいえネット上には、いつまでも真偽不明の情報一があふれる。これはそういう事件である。
 1988年11月、埼玉県の17歳の女子高生がアルバイト先から帰宅途中、同年代の少年らに拉致された。次々襲いかかる性暴力。衰弱し性の対象でなくなると今度は殴打、火あぶり。監禁は40日に及んだ。翌年1月、殺害。ドラム缶にコンクリート詰めされた遺体は東京湾岸に捨てられた。
 
 著者は被害者、加害者と同年代。ニュース番組のディレクターとして、事件を節目ごとに報じてきた。本書はその集大成であり、かつ事件の「その後」に「償い」の視点から迫る。なぜなら加害者6人のうち3人までもが「再犯」しているからである。
 紙幅を割いて取り上げる元少年Bは、10年の服役後、暴力団に関わり、監禁致傷罪容疑で再び有罪判決を受け服役する。著者はBの母親と義兄の取材を通し、最初の服役で拘禁症状が出るが、治療されないまま出所し、妄想性人格障害となり、再犯に至ったことを知る。

 著者は言う。本当の償いとは加害者が「より善く生きる」ことであり、せめて再犯しないことだと。それが新たな被害者を生まない保障だ。司法も矯正行政も社会も「更生に向き合おうとしない」と指摘する。昨年の刑法改正で、懲役と禁錮が廃止になり、再犯防止教育を中心とする拘禁刑ができた。その効果はまだ検証されていない。

 犯罪被害者・加害者、家族への取材は丹念である。当事者を取材することへの逡巡も隠さず書かれている。取材者としてその誠実さに学びたい。(文藝春秋1800円) 
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2026年05月21日

【裁判】受験勉強さなか届いた自衛官勧誘はがき‥‥ 高校生、国・市を訴え 奈良・岐阜 名簿提供は違憲=丹原美穂(JCJ東海)

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 岐阜市で3月26日、1人の高校生(ニックネームとも)が原告となり、地方自治体による自衛隊への住民個人情報提供を問う2024年3月の奈良に続く訴訟に立ち上がった。「とも訴訟」提訴の日、岐阜地裁前には多くの支持者が集まり、横断幕を先頭にデモ=写真=。「国・岐阜市は憲法違反」と市民に訴えた。

ある日突然

高校生の自宅に自衛官勧誘のはがきが届いたのは、受験勉強のさなか。高校生は、はがきが送られてきたことで「自分の個人情報が許可なく提供されている」ことに気付いた。しかも、提供したのは岐阜市だと知り「本当に嫌な気がした」。
個人情報を保護してくれない自治体に住んでいたことに、後悔と嫌悪を感じたという。
岐阜では県内38自治体が、自衛隊に勧誘用の住民名簿を提供している。

訴訟の争点

 裁判では@自衛隊=国が自治体に、自衛官勧誘に使う住民の個人情報提供を本人の同意なしに求めA入手した情報を利用して勧誘を行う行為B地方自治体が自衛隊の要請に応じて名簿やあて名シールを提供する行為が、憲法13条に基づくプライバシー権侵害に当たるのではないかが争点となる。
 私たちは@ABに加え、C地方自治体が国のいいなりに住民の個人情報を提供する行為は、地方自治の原則を破壊する行為だと考える。また、D個人情報保護法や住民基本台帳法は、個人情報の外部提供を原則禁止しており、自衛隊法97条と同施行令120条は個人情報の提供を正当化する根拠にはならないと認識している。

現状を問う

 岐阜市日野の陸上自衛隊日野基本射撃場では2023年6月14日、実弾射撃訓練中の自衛官候補生(当時18歳、入隊2カ月目)が、場内で3自衛官に自動小銃を発砲。2人が死亡、1人が重傷を負う事件が起きた。
高校生は「武器の所有を認められていない日本で、人を銃殺できてしまう自衛隊を怖いと思った」と話した。
弁護団は、自衛隊の現状から違憲性も説いていきたい、と言う。また別の弁護士は、自治体がこのまま名簿を作り続ければ、徴兵制の時に即使われる、と危惧する。
私たちは奈良、岐阜の訴訟を機に、改めて名簿提供の恐ろしさを考えたい。また、同じ問題を抱える全国に、この問題を考えあう市民の輪が広がることを期待する。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
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2026年05月20日

【出版トピック】新刊『こちら日本中学生新聞』の14歳著者に誹謗中傷 柏書房が抗議声明

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 小社刊『こちら日本中学生新聞』に関連する発信やイベント運営において、著者の安全面への配慮や関係各位とのコミュニケーションの面で、担当編集者ならびに出版社として至らない点がありました。その結果、著者ご本人、ご家族に不安やご負担をおかけしたことを、重く受け止めています。
  私たちは今回の件を通じて、未成年の著者に関わる企画や発信においては、本人の尊厳と安全を最優先に考え、より慎重な運営と配慮が必要であることを、あらためて強く認識いたしました。小社としての考えをあらためて明確にするため、本声明を公表いたします。 

  現在、SNSや動画配信等において、同書の著者である川中だいじ氏に対して、人格や尊厳を傷つける発言・投稿が継続的に確認されていることを、出版社として深刻に受け止めています。 私たちはまず、未成年者であっても、一人の人格と権利を持つ存在であるという、ごく基本的な原則をあらためて確認します。

  日本国憲法第14条は、「すべて国民は、法の下に平等」であり、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」によって差別されないと定めています。また、日本も批准している国連の「子どもの権利条約」は、子どもを保護の対象としてだけではなく、「意見を表明する権利」を持つ主体として位置づけています。同条約第12条では、子どもが自己に影響を及ぼすすべての事柄について自由に意見を表明する権利が保障され、その意見は年齢や成熟度に応じて尊重されるべきであるとされています。

  しかし現在広がっている川中氏に対する言説の中には、以下のような個人の尊厳を著しく傷つける内容が多数含まれています。
・家庭環境や親子関係、学校生活について、根拠なく断定的に語るもの
・「操られている」と決めつけるもの
・「病気」「頭がおかしい」など、異常な存在であるかのように扱うもの
・容姿や表情を嘲笑するもの
・特定の思想や政治的立場と短絡的に結びつけ、個人の考えや人格を決めつけるもの
・性的搾取や犯罪的事例と並置して論じるもの
・国籍や出自に関する差別的な言及を含むもの

  また、一部では、「未成年者には十分な自己決定能力がない」「未成年者の人権を大人と同じように考えることはできない」という趣旨の発言も見受けられます。
 私たちは、未成年者であることが、その人格や尊厳、権利を否定する理由となるべきではないと考えます。未成年者には、年齢に応じた保護や配慮が必要です。しかしそれを理由に、あたかも本人を心配するかのような体裁をとりながら個人を侮辱したり、人格そのものを否定したりすることは、正当化されるものではありません。

  とりわけ、「利用されている」「洗脳されている」「虐待されている」などと、第三者が家庭環境や親子関係について断定的に語ることや、未成年者を性的搾取や犯罪的事例と並置して論じること、あるいは「異常」「病気」などの言葉で人格を貶める表現は、本人や家族に大きな精神的負担を与え、尊厳を著しく傷つけるだけでなく、誹謗中傷や差別的言説を助長しかねません。

 子どもの人権を軽視するこうした言説は、川中氏個人に対する問題にとどまらず、子どもたちが主体性をもって社会について考え、発言し、行動することそのものを萎縮させかねず、看過することはできません。 小社は、こうした人格否定や差別的言説に対し、出版社として明確に反対の立場を表明します。
 小社は、こうした人格否定や差別的言説に対し、出版社として明確に反対の立場を表明します。
                                                  2026年5月15日 柏書房 株式会社

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2026年05月19日

【ITC】人間性を阻害か 若者にみられる「病的使用」気に動く各国 さいたまで学習会=木下寿国(ライター)

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 インターネットに代表される情報通信技術(ICT)を誰もが使える現代社会で、便利さに潜む負の影響が世界的に深刻な問題となってきた。3月28日、さいたま市で催された「ホントはどうなの?『読み書き』能力の低下とICT利用」学習会では、デジタル社会問題を研究する吉田雅人さんが、未成年者のソーシャルメディア(SNS)利用について報告した=写真=。

 今年2月、こども家庭庁が発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、高校生のネット利用は毎日、平均で6時間44分。学校や睡眠時間を除けは、ほぼ1日中とも言えそうな長さだ。若者の間には「病的使用」が疑われる事態が生じているとの報道もある。

見直しも

 海外に目を転じるとアメリカでは21年10月、写真投稿アプリ「インスタグラム」を運用するフェイスブック(現メタ)が「利益最大化のために憎悪をあおり、中毒性のあるアルゴリズムを用いて人権や民主主義を脅かしている」と、同社の元プロダクトマネジャーが連邦議会上院で証言。膨大な資料をもとに非人間的な設計システムと非難した。以降、SNSの設計上の欠陥を巡り数千件の訴訟が起きている。
 タブレットやPCを導入した教育のデジタル化でICT先進国とうたわれたスウェーデンは、学力の低下で紙の教科書の重要性を再認識。23年12月、法を改正し、教育のアナログ回帰を決めた。
 また、25年12月、オーストラリアは世界で初めて16歳未満のSNS利用を禁止した。きっかけは未成年者がネット利用から性被害をうけ、自殺に追い込まれた事件だった。
 同国は、16歳未満の利用者がアカウントを作成しないための「合理的な措置」を取るようXやTikTokなどSNS運営会社10社に義務付け、違反に最大約51億円の罰金を科すとした。
 その特徴は利用者でなく企業の責任を明確にしたこと。吉田さんは「これが国際的な常識になった」と語った。

諸刃の剣

 吉田さんは塾を主宰する一方、専門家らと続けてきた研究の成果をもとに、「ICT利用で考慮すべきは幼児期から思春期にかけての脳の発達の特徴を踏まえること」だ。「10代は脳の発達がまだ脆弱な時期であり、中高生だけでなく大学生の大半も考慮すべき対象だ」と指摘。人が自分の視覚や触覚を使い、手でものを書いたりする行為が、児童から青年期の脳の神経作用にいかに重要な影響をもたらすかを強調した。
 吉田さんは、AIを使って簡単に結論を引き出す行為は、粘り強く考える力や思考力を低下させる危険があると指摘し、「ICTは諸刃の剣だ。便利な半面、失うものもある。その両方を見なければいけない。トータルな研究はまだない。ぼくらが研究者の話を学んで自分の頭で考えないと」と話した。
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号 
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2026年05月18日

【お知らせ】映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元海兵隊員が語る戦争の真実」の無料上映会を5月23日(土)午後2時から4時に開催

260516 【案内チラシ確定版】2026.05.23 再上映&講演・案内.pdf
 放送を語る会がZOOMを使って映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元海兵隊員が語る戦争の真実」の無料上映会を開催します。
Zoom参加URL
https://us06web.zoom.us/j/88179979259?pwd=vgHQqOznbPRIckaWg5FHKMOPRvkqZE.1
ミーティング ID: 881 7997 9259
パスコード: 8nKAJX

高市政権が改憲ムードを煽る憲法の危機的状況の今、多くの方々と憲法を深く見直す機会を共有したいと作品を視た語る会メンバーが企画しました。監督は、読売テレビディレクターだった阿部裕一氏でそのことにも「放送を語る会」は親近感を抱きました。今回の上映会でも作品上映後に講演していただき、制作意図や制作をめぐるエピソードをお聞きする予定です。多くのみなさんの参加をお待ちします。
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2026年05月16日

【寄稿】24年3月29日提訴から3年目 奈良訴訟とは=自衛隊名簿提供違憲訴訟@奈良 諸富 健 弁護士

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                自衛隊募集の案内はがき

 2019年1月、安倍晋三首相(当時)が衆議院本会議において自衛隊への名簿提供に応じるよう自治体にはっぱをかけるような答弁をしたこともきっかけに、2021年2月5日、防衛省と総務省の連名で、自衛隊法97条1項、同施行令120条を根拠に名簿提供をすることができ、住民基本台帳法上特段の問題を生じない旨の通知を全都道府県宛に発出した。

 提訴の経緯は

 これにより、名簿提供に応じる自治体が増加した。奈良市でも2023年1月30日に自衛隊奈良地本と覚書を締結し、翌2月上旬、翌年度18歳、22歳になる住民約6400人の個人4情報(氏名、生年月日、性別、住所)を提供した。それに基づいて発送された募集案内はがきを受け取った高校3年生(ニックネームRYU)が原告になることを決意し、2024年3月29日、国と奈良市を被告として奈良地裁に提訴した。弁護団は、近畿に事務所がある常任弁護団7名と北海道から福岡までの非常任弁護団6名の合計13名である。

 最大の争点は、被告らが主張する自衛隊法97条1項や同施行令120条が名簿提供の法的根拠となるかどうかである。被告らは、施行令120条で防衛大臣が市町村長に提出を求めることができる「資料」に個人4情報が含まれると主張するが、プライバシー権(憲法13条)という基本的人権の制約が許されるかという視点が完全に欠落している。自衛隊法97条1項はプライバシー権について一切触れておらず、その委任命令で内閣の判断のみで制定される施行令によってプライバシー権を制約することが許されるはずがない。2006年の法改正で原則非公開となった住民基本台帳法の趣旨に反すると言わざるを得ない。そもそも、自衛隊法97条1項は、都道府県知事及び市町村長が行う募集事務の規定であり、国(自衛隊)が行う募集事務のために個人4情報を収集するなど対象の範囲外である。

 問題点多すぎる

 さらに、原告に届いた募集案内はがきには「防衛大学校生」や「防衛医科大学校生」の案内まで記載されているが、自衛官や自衛官候補生の募集事務を定めた上記法令の範囲外であるし、募集案内はがきの送付には不要な生年月日や性別まで提供したことは、覚書の利用目的にも反する。
 その他、個人情報保護法違反や自衛官の本質、除外申請制度や職業紹介違反、利益相反の問題など多数の争点がある。是非、支援の会が作成したHP(https://jieitaimeibo-iken.net/)を参照していただきたい。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号


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【Bookガイド】5月の“推し本”紹介=萩山 拓(ライター)

ノンフィクション・ジャンルからチョイスした本の紹介です(刊行順・販価は税別)

◆西谷文和『なぜ中東で戦争が終わらないのか』かもがわ出版 5/7刊 1800円
中東では、2003年のイラク戦争以来、長くテロがテロを呼び戦争が延々と続いてきた。そこへトランプ+ネタニヤフによる両国軍がイランへ侵略の攻撃を、突如始める。なぜ?
戦場ジャーナリストによる現場からの告発。写真約200枚。
 著者は大阪市立大学経済学部卒業、吹田市役所勤務を経て、フリージャーナリストに転身。世界の紛争地を取材し、テレビや新聞、講演で現地情報を伝えている。『西谷文和 路上のラジオ』をネット配信。「イラクの子どもを救う会」を設立、2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞。
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◆梅田正己『天皇制国家はいかにして創られたか━「尊王思想」の形成から「帝国憲法」の制定まで』高文研 5/13刊 2400円
江戸時代の二百数十年間、天皇は、幕府による徹底した監視・統制下に置かれ、京都の「御所」から一歩も外に出ることのできない「幽閉」状態にあった。そのため人々は「天皇の存在」を知らなかった。一般国民には全く無縁・無名だった天皇が、幕末の「尊王攘夷」運動の動乱をへて、近代日本の頂点にそびえ立つ「元首」となる、そのプロセスを明快に説き明かしたのが本書。いま話題の「皇位継承」問題をふくめ、天皇制や近現代史に関心をもつ人には必読。
 著者は1936年、佐賀県唐津市に生まれる。出版社勤務を経て、1972年、高文研を設立。著書に『変貌する自衛隊と日米同盟』、『この国のゆくえ』(岩波ジュニア新書)ほか。
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◆神山典士『地方が溶ける━ふるさと再生の光と影』光文社新書 5/20刊 920円
地域社会やサービスは、どのように消失するのか。地方には何が残るのか。政治による分断(広島県安芸高田市)、国を活用する経営戦略(北海道東川町)、民間とのチームワーク(宮崎県小林市)、炭鉱の町の現在(福岡県直方市)、子供たちの変化(埼玉県越生町)、記憶の継承(宮城県女川町)。全国各地で「ふるさと作文教室」を主宰し、自らも「トカイナカ」移住生活を送るノンフィクション作家が記す、今日の地方をめぐる光と影。
 著者は1960年埼玉県入間市生まれ。信州大学卒業。ノンフィクション作家。著書『ライオンの夢』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。著書に『トカイナカに生きる』など。ふるさと大好き全国作文協議会事務局長。
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◆東海林さだお『アンコの丸かじり』朝日新聞出版 5/20刊 1800円
大人気「丸かじりシリーズ」のフィナーレを飾る最新刊。クスっと笑えて、ときに仄(ほの)見えるお色気にドキッとして……。B級グルメとビールを愛したショージ君が、最後にえらんだのは「アンコ」だった!
〈アンコというものは、どうも何かにもぐり込もうとする傾向がある。傾向というより、性癖? 饅頭の中にもぐり込んでいる。大福餅の中にもぐり込んでいる。最中の中にも、もちろんアンパンの中にももぐり込んでいる>。
 1988年刊『タコの丸かじり』から38年、週刊朝日の看板連載「あれも食いたいこれも食いたい」で繰り広げられた東海林ワールドがついに幕を閉じる。
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◆宇野重規『政治とは何か』講談社現代新書 5/21刊 1100円
権威主義国家の台頭、国際御法の無視などなど、近年の世界の政治状況は、「政治」という営みについての従来の常識を揺るがしかねない事象に満ち満ちている。逆に言えば、そういう時代であるからこそ、「正しい」政治のあり方について、今一度あらためて、その根本から考えてみる必要があるのではないか。本書では、西洋の政治学の基礎を作ったとされるアリストテレスに始まって、様々な思想家達の考えを簡潔明快にひも解く。
 著者は1967年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。現在、東京大学教授。著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』、『民主主義とは何か』、『保守主義とは何か』など。
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◆宮田 律『イラン戦争━アメリカ・イスラエルの策略』平凡社新書 5/27刊 1000円
イランの最高指導者ハメネイ師が殺害されるなど、2026年2月末に開始されたアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃は、国際法を無視したものであり、現在も対立・混乱が続いている。この両国に対し、日本はいかに対処するべきなのか。世界中を混乱に陥れているトランプとネタニヤフは、はたして何を求めているのだろうか。「イラン戦争」の背景にある相互不信の歴史のほか、宗教イデオロギー、政治・社会構造を掘り下げる1冊。
 著者は1955年山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。専攻はイスラム地域研究、国際政治。著書に『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』『黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル』『アメリカのイスラーム観』『ガザ紛争の正体』など。
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◆上山 慧『細川嘉六━「河童老人」の生涯とその時代』◆日本機関紙出版センター 5/28刊 4091円
昨年「治安維持法」が施行されて100年目。その治安維持法による最大の言論・出版弾圧事件が「横浜事件」だ。本書はその中心にいた人物・細川嘉六の生涯を、「スパイ防止法」制定を目論む現代日本に当てはめ、改めて問い直す。細川が検挙弾圧された容疑は、いずれも神奈川県特高警察による捏造であった。「横浜事件」の犠牲者は、改造社・中央公論社・朝日新聞社・岩波書店など、言論・出版関係者63名、氏名未確認の者を合わせ90名近くにのぼる。特高警察は自白を強要するため被疑者に激しい拷問を加え、その結果、獄死者4名、保釈直後死1名、失神者12名、負傷者32名にも及んだ。
 著者は1992 年大阪府箕面市生まれ。2014 年大谷大学卒。専攻は日本近現代史。治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟中央本部常任理事。著書に『神戸平民俱楽部と大逆事件』。
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2026年05月15日

【JCJ オンライン講演会・緊急企画】世界の大転換 誰が平和をつくるのか 〜NPT再検討会議で何が問われたのか 講 師:羽場 久美子さん(青山学院大学名誉教授)5月23日(土)午後2時から4時

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■開催趣旨
ロシアのウクライナ侵攻、米国とイスラエルによる軍事攻撃から始まったイラン戦争の最中に、ニューヨークの国連本部で開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議では何が問われたのか。同会議に参加して帰国したばかりの国際政治学者、羽場久美子さんに、緊急の報告をお願いしました。
「世界はいまや200年に1度の大転換の時代に入っている。19世紀以来、世界を植民地化することによって栄えた欧米資本主義世界が、今や危機と衰退を迎えつつあり、特に「資本主義」経済において、新興国に負け始めているという現実である。戦争が多発する世界を羽場さんはこう捉え、「誰が平和をつくるのか?」と問題提起しています。
そして、こうした世界の動きを日本のメディアはなぜその実像を正確に伝えないのかと警鐘を鳴らし、「大手メディアの体制翼賛的状況に危機感を覚える」と強調しています。
国際政治の最前線を知る研究者だからこそ語れる、“いま世界で本当に起きていること” と “私たちができること”。戦争がなぜ多発しているのか、激動する世界情勢を読み解き、誰がどう平和をつくるのかを具体的に共に展望し、議論していきましょう。
あなたの参加が、未来の平和をつくる一歩になります。

■講演者プロフィール:羽場 久美子(はば・くみこ)さん
青山学院大学名誉教授、世界国際関係学会(International Studies Association)元副会長、アジア太平洋前会長。沖縄を平和のハブに!共同代表、日本学術会議元会員、ハーバード大学、パリ大学客員研究員、京都大学客員教授、早稲田大学招聘研究員。
EUジャン・モネ・チェア。著書:『ヨーロッパの分断と統合−包摂か排除か』『アジアの地域統合―戦争をさけるために』『世界の中の日本―平和をつくる』。英語では、『世界戦争100年、新世界秩序をいかに創るか?』『ブレグジット後』など多数。

■zoomにてオンライン 見逃し聴取用記録動画の配信有り。
■参加費:500円
 参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0523.peatix.com)で参加費をお支払いください。
(JCJ会員は参加費無料。JCJ会員MLからアクセスURLが送られます。参加にあたり連絡は不要です)
■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03–6272–9781(月水金の13時から17時まで)
      https://jcj.gr.jp/

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2026年05月14日

【おすすめ本】森永 卓郎 (著) 古賀 茂明 (解説) マガジン9編集部 (編集)『森永卓郎の戦争と平和講座』―退路を断ってズバリ直言の生涯=芳地 隆之(ノンフィクション作家) 

 本書はウェブマガジン「マガジン9」に連載された、同名コラムから厳選した38遍からなっている。前半は旧民主党政権時代に書かれたものだが、同党の平等化促進の色合いの強いマニフェストを、党内の弱肉強食社会を望む勢力が叩き潰したあげくが、現在の日本の状況だとの指摘はアクチュアルだ。
 続く第二次安倍政権に対しては、安倍首相のかつての日本によるアジア侵略を否定する姿勢を批判し、連立パートナーである公明党の閣僚に反対するよう呼びかける。現在の政治状況を予見するような提言である。

 経済面では、日本の財政は年間60兆円の財政出動をする余力があることを指摘。国民一人当たり月額4万円程度のベーシカムが支給されれば、私たちは自分が食べるものは基本的に自分で作り、それで足りないものは近隣の人たちが提供する製品やサービスで補っていけるという。
 生活エリアで経済活動を完結させることができれば、グローバル資本主義に取り込まれることなく生きていけるだろう。
 AIに代替されない創造的な仕事をするために、国民全員がアーティストになろうという呼びかけも、その一環だ。

 周囲から一笑に付されるのは、たぶん織り込み済み。生前の森永さんは「発言するときはバットを振り抜く」と語っていた。「○○ではないだろうか」の物言いは皆無。逃げ道を作るような留保はしない。「○○なのだ」で締めくくられる。退路を断って、批判を恐れず。ご自身の生き方と合致する文章なのだ。(集英社新書960円)  
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2026年05月13日

【自民党大会】陸自隊員が国歌 首相「法的問題ない」=編集部

 「時は来た。憲法改正の発議について、めどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」。高市首相が師と仰ぐ安倍元首相にならい「来年の党大会」と改憲の国会発議の期限を表明した12日の自民党大会で、陸上自衛隊中央音楽隊に所属の陸曹が制服(音楽隊の演奏服)で登壇し、国歌を斉唱した。自衛官は登壇に際して「陸上自衛隊が誇るソプラノ歌手」と司会者から会場に紹介されたという。自民党、防衛省は「国歌の斉唱は政治行為にあたらない」とするが、問題は国会でも取り上げられ、「自衛隊の中立性に疑念をもたれる軽率な行為との指摘もされる。何がどう問題なのか。関係者の説明を紹介し整理した。

自衛隊法61条

 自衛隊法61条は自衛官の政治的行為禁止を定めており、「隊員は選挙権行使を除き、政治的行為をしてはならない」と条文にある。
これについて防衛省はメディアの取材に「国歌を歌唱することは政治的行為にあたらないと認識している」と回答した。
 自衛隊所管大臣の小泉防衛相も「国歌の歌唱は政治的行為にあたらない」と述べ、自衛隊法抵触を否定。関係者から依頼されての陸曹の自民党大会出演は自衛官の職務ではなく私人としての行為とする一方、「私は事前に知らされていなかった」とも語った。
また、高市首相も「会場に着くまで知らなかった。特定の政党への支援を呼びかけたわけではなく、陸曹の国歌斉唱は法律的に問題はない」とした。

問題点すり替え

 自民党サイドでは鈴木俊一幹事長は「個人に対してお願いした。国歌を歌うこと自体に政治的な意味はなく、特に問題ない」。萩生田光一幹事長代行は「陸曹への依頼は党の要請でなく、党大会の演出を企画する会社の推薦だった」と説明。事前に同社を通じて現役自衛官が特定政党の大会で歌唱しても問題ないか防衛省に確認し、「問題ない」と言われたので党大会運営委員会で決定したとも語った。
 一方、防衛省の担当部署は事前に、演出企画会社に歌唱依頼された陸曹から連絡を受けていた。また、陸自トップの荒井正芳陸上幕僚長は、陸曹の出演を事前に把握していたと明かし、「その自民党大会出演が不適切とは考えていない」との認識を示している。
 さらに、国会で、自民党大会は「党の最高意思決定機関、政治的行為では」と指摘された防衛省幹部は、集会などで「政治的目的を有する意見を述べることなどが政治的行為」。「国歌斉唱自体に特定の政党を支持や反対する目的はない」と答えた。
 だが、防衛省や自民党の「国歌斉唱は政治的行為でない」との主張は問題のすり替えだ。
問題の根幹は特定の政党の党大会に、自衛官が誰が見ても自衛官だとわかる形でステージに上がり、参加していることだ。国民から見れば自衛官(公務員)の政治活動参加に見える。
 自衛官(公務員)の政治的中立に疑念を抱かせる自民党と防衛省の判断は軽率に過ぎる。政府の「私人としての行為」という説明もおかしい。

処分すべきは誰

 「私人としての行為」なら、陸曹は自衛隊法46条1項の「職務上の義務に違反」で、懲戒処分を受けることになる。だが、制服(演奏服)は陸上幕僚長の指示で着用するものであり、国会でこの規定を指摘された防衛省の担当者は、幕僚長の指示を受けたものではないとした上で、「職務外に演奏服着用が禁止されているわけではない。今回、私的な場面で演奏服を着たから規律違反とは評価しない」と答弁した。
 また、自民党大会には音楽隊副隊長も陸曹に同行していた。しかも陸幕長は陸曹の出演を事前に了解していた。
 つまり陸上自衛隊が自民党に忖度し、問題点を知りながら組織的に党大会に協力したのではないのかということだ。
 それなら責任を問い、処分されるべきは陸自のトップ幕僚長だ。当然だが、小泉防衛相も監督責任を免れない。「省内の報告態勢に問題があった。報告のあり方について改善が必要」などと他人事のように語っている場合ではなかろう。

自民政権に懸念

 さらに今回の一件で明らかになったことがもう一つある。政権与党としての自民党の実務能力だ。萩生田幹事長代行は、陸曹の起用は党大会を演出した企画会社の推薦。問題がないかどうか、企画会社を通じて防衛省に確認したと語った。
 ちょっと待て。自民党は政権党=政府そのものだ。法的な懸念があれば、法務省があり、内閣法制局がある。最高の専門機関に党として直接確かめることが当たり前にできる立場にある。防衛省に直接照会することも当然可能だ。
にもかかわらずその確認を企画会社に委ね、丸投げした。
 1年後には改憲発議にめどをつけたい。「時は来た」と言うが…。これで本当に大丈夫なのか。党大会で露わになったこの一件で不安はますます募る。自衛隊が組織として政治に介入しないようにしてきたのは、戦前、戦中の苦い記憶への反省からだ。自民も防衛省も麻痺していないか。
 だが、おかしいと思った議員もいる。岩屋毅元防衛相は記者団に問われ「制服を着て、階級を含め自衛官と紹介されていたので違和感を覚えた。政府は反省する必要がある」と指摘したという。
改憲に前のめりの高市政権だけに、いま改めて権力監視の重要さを確認したい。まさにここが正念場だ。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号 
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2026年05月12日

【支部リポート・東海】全国と連帯「平和」願う 市民の力さらに広げよう=丹原 美穂

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 高市政権の誕生以降、憲法改悪(改憲)や「国旗法」、「スパイ防止法」などの危険な諸法律制定の動きなど、懸念される事態が次々と、しかも露骨に推し進められようとする中、私たちJCJ東海支部も全国と連携し「平和」を訴える活動に取り組んでいます。

そんな中、真っ先にお伝えしたいのは、新入会員を1人お迎えすることができたことです。しかも、ご自身から「入りたい」と嬉しい申し出をいただきました。心強いかぎりです。共に頑張って行きたいと思っています。
 3月25日には、国会前での「平和憲法を守るアクション」に連帯し、北は北海道から沖縄まで全国約30カ所でアクションが展開されました。東京は24000人だったとのことですが、東海地方では、静岡100人、豊橋12人、金沢100人、名古屋250人、岐阜54人=写真=の参加を得ることができました。

 私たちの「戦争は嫌だ」「平和な日本を」という願いとは裏腹に、今、日本では敵基地攻撃能力のある長射程ミサイル配備や弾薬庫の増設が各地で推し進められています。沖縄から始まったこうした動きは、次第に北上し、九州、西日本、東海へと拡大の一途をたどっています。
 これに対抗する私たち市民のカウンター活動も、「沖縄・琉球弧の声を届ける会」や「沖縄・西日本ネットワーク」など連携の輪が大きく広がつています。
 こうした中で迎えた4月8日の「平和憲法を守る4・8行動」には、初めてデモに来た人や若い人の参加も多く名古屋1100人。岐阜170人の参加があり、平和を守れ、憲法まもれ、と口々に声を挙げて訴えました。
 平和を願う市民のこうした行動は、海外でもApril8.2026 “Japan will make history”=日本は歴史を作ろうとしている=と大きく取り上げられています。
 戦争反対・憲法守れと立ち上がった国内10万人の市民の力をさらに広げたいと願っています。

       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号 
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