2026年01月28日

【25読書回顧―私のいちおし】「近くて近い」日韓関係=鈴木 伸幸(東京新聞編集委員)

 米トランプ大統領は自国中心主義を鮮明にし、日本では「日本人ファースト」を唱える政党が躍進。ウクライナに侵攻したロシアには中国と北朝鮮が急接近─。地政学的な変化が進む中、民主主義や資本主義といった価値観を共有する隣国の韓国は、日本にとって重要な外交パートナーだ。

 「近くて遠い国」とも言われたが、今年、誕生した革新の李在明大統領は「実用外交」を標榜。
日韓は「近くて近い」関係に成熟しようと努める。それを再考するための良書が、前駐日韓国大使の朴母、『誠信交隣』(中日新聞)だ。2012年から21年にかけて書かれたコラムを中心に、最近の講演会議事録なども加えて編集された。
 「温故知新」というほど古くはないが、日米でも研究活動した著者が国交正常化60年を迎えた日韓関係を軸に米国、中国、北朝鮮も交えて東アジアを論考した本書は今こそ読む価値がある。
    
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 「戦後80年」というメモリアルイヤーの今年は、終戦で始まった悲劇にも目を向けてはどうだろうか。城内康伸『奪還』(新潮社)は、朝鮮半島北部で難民化した約25万人の邦人を帰国させんと命懸けで奔走し、後に「引き揚げの神様」と呼ばれた松村義士男の闘いの記録である。家を追われた邦人は何万人もが飢えと疫病に行き倒れた。そんな中、松村は約6万人を救った。本書は12月のBS-NHK「昭和の選択」の原案になった。

 現在進行形の「戦後」もある。昨年末に終わるには終わったシリア内戦。小松由佳『シリアの家族』(集英社)はシリア人と結婚し、2人の子どもがいる著者が内部から見た取材記。独裁制による恐怖政治が敷かれ、政府軍と反政府軍が対峙。
 その反政府軍も一枚岩ではない。市民に複雑な分断が生まれ国内外で一千万人超が難民化。それが欧州で排外的な極右政党の台頭を招く一因に。内戦は終わっていない。(中日新聞 2,200円)
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号  
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2026年01月27日

【福岡支部リポート】支部存続へ改革案 休眠状態から脱却めざす=白垣 詔男

■組織じまいの意見も
 このところ休眠状態≠フ福岡支部をどうするか―。
一部で「組織仕舞い」の意見も出ているが、今後の活動を含めて、存続か否かを11月初旬に開いた幹事会で話し合った。その結果、来年の総会時までに「支部改革案」を作り、活性化を目指すことにした。
 会員は、2000年の支部発足時には35人いたが現在は15人。お亡くなりになったり高齢で退会したりと減員が続く一方、新加入者はわずか1人と寂しい。活動も、このところ、機関紙を年3回発行するものの、他の活動は、「友好団体」である「九条の会福岡県連絡会」「NHKを考える福岡の会」「九州民放OB会」などの主催行事に「共催」「協賛」するだけで主催行事はこの20年間ほど全くない。
 かつては、中村哲さんの講演会を開き、多数の参加者で活気を覚えたこともあった。主催者として、「これがJCJの活動」だと実感した。

■なくなった活動
 その後、福岡支部が主催した活動はなくなった。
 最近では、支部が団体会員になっている「NHKを考える福岡の会」が10月25日(土)に開いた講演会(講師=岩崎貞明メディア総研事務局長)に「九州民放OB会」とともに共催に名を連ねた。その他、「九条の会福岡県連絡会」主催の憲法集会に「協賛」することもあるが、実際に動くのは、そうした団体の世話人や事務局員にもなっている支部会員らだ。
 以上のような現状を打破しなければならないという意識はあるものの、実働する会員がほとんどおらず、会員の一部からは「支部を解散したら」「会費(年1万2千円)が高い」といった声が出ている。

■高額会費の問題も
 会費が高いのは間違いない。会員を勧誘するにしても、会費に見合った支部の活動や会員になっても会費分のメリットが見つからないので声を掛けにくい。そこで、幹事会では「正会員のほかに会費を安くする準会員(呼び方は未定)制度を新設しては」と言う意見も出た。ただ、会費を安くすれば会員が増えるというものでもない。マスコミに働く現役の人たちが「JCJ活動」に興味を持ってくれるのか―。
 こうした悩みを抱えながらJCJ活動をどうするか―。古くて新しい課題にどう取り組んでいくのか、来年が福岡支部の正念場になることは間違いないだろう。
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 
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2026年01月26日

【寄稿】「解散権」への不信が噴出 自己都合の運用見直すべし!=木下寿国

 高市早苗首相の自己都合解散で首相の「解散権」への不信が噴出している。首相は高支持率のうちに解散して議席を確保し、党内基盤の強化を図ろうとしている。しかしそれはとても解散の大義と呼べるようなものではない。

 さらに統一教会との関連隠しも疑われ、予算審議もすっ飛ばしてのいきなりの解散には新聞各紙は強く反発。発表の翌日には「時の首相が与党に有利なタイミングで衆院を解散できる現在の運用を見直すべきだ」「『大義なき解散』が繰り返されぬよう、解散権のあり方も、衆院選で議論してもらいたい」(朝日)、「今回の衆院解散は憲法7条の『天皇の国事行為』として行われる、いわゆる『7条解散』だが、内閣が自由な裁量を持つようにふるまうことには批判も多い」(毎日)。解散から投票まで16日間と戦後最短について「大義なき権力の乱用だ」「重要課題で論戦を深めるには十分な期間とは言い難い」(東京)などとこぞって解散の問題点を指摘した。政府に好意的な日経も社説で「予算を後回しにしてまでなぜ解散しなければいけないのか。首相の説明を聞いても胸にすとんと落ちない。解散の大義が見えない」と批判的だ。いずれの主張も首相の解散権にかかわるものとみてよいだろう。

 解散権については、九州大学の南野森教授(憲法学)も、「九州大学学術情報リポジトリ」(2023年8〜11月号)において「衆議院解散権は首相の伝家の宝刀か」との論考で「学説は、無制約で好き勝手な解散など認めていないし、正当な理由のある解散に限定すべしと主張している」と、自分らに有利というだけで解散することを強くけん制し、説得力のある根拠を求めていた。解散は首相の専権事項と言われ、いつの間にかそれが法的根拠に基づいたものであるかのようにみなされてきた。ところがそうではないということがアカデミズムの分野からも指摘されているのだ。

 恣意的な解散は有権者の投票行動にも深刻な影を落としている。今回の選挙は真冬における実施となり、雪国では除雪の関係で掲示板が減らされることや、足元の悪い中での投票となり投票率低下が懸念されている。産経20日付によると、札幌市は「準備期間の短さに加え、除雪に時間がかかる」ため、昨年の参院選より掲示板を6割減らすことを検討、青森県では「雪道や凍っている道など足元が悪い中を(投票に)行かなければならない」、秋田県有数の豪雪地帯、仙北市の選管担当者は「除雪しても路面はアイスバーンになる。有権者の投票行動に影響が出ないか心配だ」と話している。
 また、広島県福山市は、封筒で郵送してきた投票所の入場券を準備期間が短いためはがき送付に切り替えた。「印刷のやり直しには莫大な金額がかかる」と懸念する。

 松林哲也・大阪大学大学院国際公共政策研究科教授は「選挙に行くことは(国民の)権利」であり、「国政への参加を保障する」もの(「法学セミナー」26/2・3)だという。その国民が投票する権利、参政権が時の首相の恣意的な判断で左右されていいはずがない。

 保坂展人東京都世田谷区長ら自治体の首長5人は、有権者の参政権を制約し実際に選挙実務を担う自治体職員に過度な負担を押しつけかねない事態を憂慮。1月19日付で「政権による解散権の行使の在り方、乱用を防ぐための制度や議論を、社会全体で改めて行う事を強く求めます」と緊急声明を出した。
 私たちはこの選挙後も、選挙のあり方をめぐる議論を忘れてはならないと思う。有権者が政治に参加し、それを変革していくための貴重な機会なのだから。
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2026年01月25日

【おすすめ本】友寄 英隆『人間とAI──社会はどう変わるか』―科学的社会主義の立場から AIとの対応を考える=栩木 誠(元日経新聞編集委員)

 レストランに行くとロボットが店内を駆け巡り、インターネットで用語検索をすると生成AIによる解説が登場する。今や私たちの生活の至るところに、AIが浸透している。「AIが透明性、管理、運営などに使えないようにする」とか「その脅威を絶対視する風潮が強い」なか、支配的にAIの発展を身に着け、AIに負けぬようデジタルファシズムに悪用する懸念も深まる。

 私たちが、このAIといかに向き合うか、真剣にいかに、いま極めて重要に考えるべき時代が到来している。理論的AI論や、体験的AI論、社会的AI論という3つの側面から、その糸口をきめ細かに解き明かしている貴重な一冊である。
 生成AIは、私たちの生活、社会をどう変えるのか?「AIは人の心の働きに近づくか?」−こうした多様な疑問や課題について、「マルクスやエンゲルスならばどう答えるか?」と、著者は思いをはせる。そう考えて科学的社会主義の立場から解明を試みている。本書の特徴がある。

 中長期的に、AIの研究と開発は一層進む可能性が高い。それだけにAIには、利便性と危険性の両面があるだけに、その研究は、21世紀に生きる人類にとって、最重要課題でもある。

 現下のような大資本の管理・運営下ではなく、私たちに役立つよう上手に使いこなしていける術を身に着け、AIの発展に負けぬよう、AIと真摯に向き合い、それをいかに社会発展に役立たせていくか、いま極めて重要になっているのである。「広く深い認知能力と知的判断力を備えた人間はAIが進化しても決して負けない、負けてはならない」。この指摘が重く響く。(新日本出版社 2200円) 
         
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2026年01月24日

【経済】サナエノミクスに市場が警告! 国債頼み 薄氷の財政 黒字化命綱℃阨すな 怖い日本版トラスショック=志田義寧

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 高市早苗首相が掲げる経済政策「サナエノミクス」に対して、市場が警告を発している。ドル/円は一時157円台と10カ月ぶりの円安水準をつけたほか、ユーロ/円は1999年のユーロ発足以来初の181円台に乗せた。いずれも円売りに起因しており、その背景にあるのが財政悪化懸念だ。高市首相は「責任ある積極財政」を掲げているが、経済成長と財政の持続可能性という「2つの責任」のうち、財政の持続可能性に関して市場は疑念を拭えずにいる。

●バラマキ補正
 政府は11月28日、25年度補正予算案を閣議決定した。一般会計総額は18兆3034億円にのぼり、このうち11兆6960億円は国債発行で賄う。高市首相は同日、X(旧ツイッター)で「財政の持続性にも十分配慮した」と強調したが、これまでの政権同様、国債頼みの構図に変わりはない。需給ギャップがほぼ均衡する中で、なぜ東日本大震災時を上回る18兆円規模の補正予算が必要なのか。子ども1人あたり2万円の給付など、バラマキ色も目立つ。
 今回の対策には「危機管理投資・成長投資」が6・4兆円計上されているが、そもそもこれは補正予算で対応すべきものなのか。財政法第29条は「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」に関して補正予算の作成を認めている。成長投資に果たして緊要性があるのか。補正予算を本予算よりも楽に成立させることができる「第二の財布」にしてはならない。

●PB目標変更
 高市首相は「責任ある積極財政を進めるため」として、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の単年度黒字化目標を取り下げ、数年単位で確認していく意向を示した。しかし、黒字化目標は、日本が財政規律を維持する意思があることを世界に示す「命綱」である。複数年で示すとはいえ、安易に変更すれば、市場に対して「日本はもう財政健全化を諦めた」という誤ったメッセージを送ることになる。

●信認維持こそ
 懸念されていた12月2日の10年国債入札は順調な結果となった。だからといって、国債消化の不安が消えたわけではない。高市首相は自民党政調会長時代、「自国通貨建てだからデフォルト(債務不履行)は起こらない」と主張している。確かに、現時点でデフォルト懸念が高まっているわけではなく、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場も平穏だ。しかし、デフォルトしないからいくら借金をしても良いという理屈は、あまりに乱暴だ。財政への信認は一度崩れれば、修復に多大な時間と痛みを伴う。今の安定は、これまでの財政規律へのコミットメントという薄氷の上に成り立っていることを忘れてはならない。

●英国の教訓は
 筆者は24年12月25日号の紙面で、英国で起きたトラスショックを取り上げた。当時のトラス政権は、財源の裏付けのない大規模減税と財政出動を打ち出し、その結果、市場は「英国の財政は持続不可能」と判断し、英国債、ポンド、株価の「トリプル安」を引き起こした。先進国であっても、市場の信認を失えば瞬く間に経済危機に陥る。もちろん、英国の事例は年金基金の運用失敗など特殊事情もあった。ただ、日本は英国以上に公的債務残高の対GDP比が大きい。サナエノミクスが日本版トラスショックの引き金とならない保証はどこにもない。日本は英国の教訓を忘れるべきではない。

●「日本売り」?
 経済学の標準的な理論である「マンデルフレミング・モデル」によれば、変動相場制下での財政拡大は金利上昇を招き、自国通貨高(円高)をもたらす。リフレ派の一部はこの理論を盾に「財政出動は円安是正にもなる」と主張する。
 しかし、この理論が成立するのは、国家財政への信頼が盤石である場合に限られる。日本の財政が悪化の一途をたどり、「返済能力に疑義あり」と見なされれば、金利上昇による通貨高圧力よりも、財政リスクを嫌気した資本逃避(キャピタルフライト)による「日本売り」圧力が勝る可能性が否定できない。

●物価高さらに
 今求められているのは、無尽蔵の財政出動ではなく、対象を絞った賢い支出と構造改革、規制緩和による潜在成長率の引き上げだ。財政規律を軽視した政策は、通貨の信認低下を招き、結果として輸入物価の高騰という形で国民生活に跳ね返ってくる。高市首相は市場の警告に耳を傾けるべきだ。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 
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2026年01月23日

【出版トピックス】岩波書店が新書など読み放題サービス始める

◆トーハン・日販とも「書籍」売上増
 トーハンと日本出版販売はそれぞれ、年末年始(昨年12月27日〜今年1月3日)のPOS店での売上動向調査の結果を発表した。
 両社とも「書籍」「マルチメディア/開発品」の昨年対比がプラスとなったほか、トーハンでは「総合」「雑誌」でも前年調査を超えた。
 トーハンの調査店1472店では、「総合」前年同期比0.9%増、「書籍」同5.8%増、「雑誌」同1.9%増、「コミック」同22.1%減、「マルチメディア」同7.9%増。トーハンの「書籍」のジャンル別でみれば、以下の通り。
〈文芸〉115.5%。「成瀬あかりシリーズ」の完結編『成瀬は都を駆け抜ける』(宮島未奈著/新潮社)が好調。
〈児童書〉103.9%。「最強王図鑑シリーズ」の最新刊『ドラゴン タッグ最強王図鑑』(Gakken)、『大ピンチずかん3』(小学館)、『おせち』(福音館書店)が上位に。
〈文庫〉107.0%。湊かなえ『人間標本』(KADOKAWA)、吉田修一『国宝』(朝日新聞出版)などが良好な売れ行き。
 日販の調査店1072店では、「総合」前年比1.2%減、「書籍」同5.4%増、「雑誌」同1.0%減、「コミック」同16.7%減、「開発品」同5.6%増。

◆KADOKAWA2年連続売上1位
 丸善ジュンク堂書店が発表の売上ランキングでは、KADOKAWAの金額は約30億4611万円で前年比1.1%減。トップ10の2位以降は、2位 講談社 2,911,439,615円、 3位 集英社 1,909,922,824円、4位 小学館 1,684,159,946 円、5位 Gakken 1,246,260,367円、6位 新潮社 1,060,356,567円、7位 朝日新聞出版 760,822,955 円。
 6位新潮社までは前年と同順位だが、昨年10位だった朝日新聞出版が7位にランクアップ。上位100社では、68位のぴあ(前年177位)の伸長が目立った。ランキングはISBNが付与された銘柄で、対象期間は25年1月1日から12月31日、対象店舗は121店。

◆ラノベ出版社が株式上場
 主に若者をターゲットにした娯楽小説ライトノベルやマンガの中堅出版社TOブックスが、2月13日に東京証券取引所スタンダード市場に上場する。
 上場に合わせてTOブックスは新株式発行で増資をするほか、創業者である本田武市氏が保有する株式の一部を売出す。増資による資金調達は16億8000万円程度を見込む。同社は、編集者、メディアミックスを担当するプロデューサー、営業部員などの人材投資に充当するほか、広告宣伝費と販売促進にも充てる予定。想定する公開価格3810円を基準に算出すると、時価増額は130億円を超える。
 TOブックスは14年に前身となる映像・音楽・出版事業のティー・オーエンタテインメントの出版事業が分社化するかたちで設立された。ラノベル出版を中心に、コミカライズ、アニメ化、舞台化、さらにドラマCDやグッズなど多角的に事業を広げている。
 25年4月期の売上高は94億2600万円、営業利益11億4900万円、経常利益11億4500万円、当期純利益7億7500万円。メディアミックスが活発になった20年代以降に急成長した。

◆「Kindle 」で読み放題
 岩波新書編集部は、岩波新書の多くのタイトルが、Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読めるようになっている事をXで告知した。新書のほか「岩波文庫」「岩波ジュニア新書」「岩波科学ライブラリー」で、多くのタイトルが読み放題。新書では、朝永振一郎『物理学とは何だろうか』、清水幾太郎『論文の書き方』、池内了『擬似科学入門』、梅棹忠夫『知的生産の技術』など、多くが対象になっている。
 編集部は「気になっていたけど読んだことのないロングセラー、タイトルに惹かれたけど手に取っていない書籍……この機会に岩波新書の魅力に気軽に触れてみてください!」と呼び掛けている。
 「Kindle 」は、月額980円で500万冊以上が読み放題に。
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2026年01月22日

【沖縄リポート】高市発言で「交流中止」、高校生怒る=浦島悦子

  沖縄県民の4人に1人が命を落とした沖縄戦から80年。「二度と沖縄を戦場にしない」と県民が改めて誓ったその年に、あろうことか、就任間もない高市早苗首相の「台湾有事は存立危機事態」という国会答弁や「非核三原則見直し」発言が、一挙に戦争を引き寄せてしまった。
 1972年の日中共同声明をはじめ、日中間の基本文書で繰り返し確認されてきた過去の戦争への日本の反省と、「台湾問題は中国の内政問題である」という認識を覆した高市発言に対する中国側の反応は、極めて厳しい。
 
「台湾有事は日本有事」となれば、真っ先に犠牲を被るのは沖縄住民だ。「ノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会」など、沖縄の16市民団体が11月23日、県庁前で開いた緊急抗議集会には150人が参加した。
 集会では、「戦場にさせられる私たちにとって到底受け入れられるものではない」として高市発言の撤回と辞任を求めた。「高市氏に代わり、私達は日本国民として改めて深くお詫びを申し上げ、中国と争う気は毛頭ないこと、これからも日中間の平和を保っていくことを宣言します」と表明。参加者からは「早苗いなければ憂いなし」と唄うラップや、全県的な県民集会を求める声も出た。
 沖縄高校生平和ゼミナールは同日、沖縄の高校生の中国との交流事業が中止になるなど既に影響が出ているとして、高市発言に対する緊急ステイトメントを発表した。

 沖縄戦では14〜17歳の少年少女たちが、学徒隊・看護隊・護郷隊(という名のゲリラ隊)として動員され、多くが命を落とし、生き残った人々もPTSDに苦しめられた。

 戦争になれば、真っ先に狙われ、戦場に送られるのは若者たちだ。
「子どもが『核反対、戦争反対』と言えるのに、政府はなぜその一言も言えないのか、なぜ戦争をそそのかすような発言をするのか、全く理解できません」「もっと自分の発言に責任を持ち、国の代表なら口撃ではなく、私たちの人権や平和な生活を守る外交をして下さい」
 子どもたちの素朴で当たり前の声を、高市氏は聞くべきだ。
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 



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2026年01月21日

【1・23「国会開会日行動」】大義なき解散許すな!戦争する国反対!──国家情報局・スパイ防止法反対!

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 「生活を守り、成長をつくる」と、これまで言ってきた高市首相が、1月23日に召集される通常国会での早期の衆院解散を表明しました。これにより、2027年度予算の年度内予算成立は事実上なくなりました。国や自治体の行政には大きな支障が予想され、企業の経済活動にもマイナスが生じるはずです。
 高い支持率とは裏腹に、物価高に苦しむ市民の生活の安定より、自身の政権の安定を優先したという声が、報道だけでなく、市民の中にも渦巻いています。
 また、高市政権は、戦争する国に向けて、軍備増強とともに、国家情報局創設、スパイ防止法制定へとつきすすんでいます。その狙いは、国が市民を総監視し、情報を管理し、スパイの威嚇で市民の知る権利、取材・報道の自由を規制することと、政府の批判を封じることです。スバイ防止法とはどういう悪法なのか、二つのビデオ「レーン宮沢事件」、「尾崎ゾルゲ事件」の上映を通して考えていきます。日本が経験した戦時体制下の社会の姿を再確認しましょう。
 ご参加ください。国会が開かれるこの日に、大きく声をあげましょう。オンライン同時配信もあります。

  ●と き:2026年1月23日(金)12時~13時
  ●ところ:衆議院第二議員会館前
  ●共 催:「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/共謀罪 NO!実行委員会

■院内集会ーレーン宮沢事件・尾崎ゾルゲ事件からスパイ防止法を考える-
  ●と き:2026年1月23日(金)14時30分~17時
  ●ところ:衆議院第一議員会館第2会議室
       ※入館証は13時45分から第一議員会館ロビー入口で配布します。
  ●内 容:ビデオ:上映「レーン宮沢事件」(52分)「尾崎ゾルゲ事件」(44分)
       事件の説明福島清さん(北大生・宮澤弘幸「スパイ冤罪事件」の真相を広める会)
       ※オンライン配信:https://www.youtube.com/live/dmf8RFW20RE

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2026年01月20日

【沖縄JN学習会】戦争止めよう!沖西ネット広がる 全国化の構想も=伊藤洋子(元東海大学教員)

 沖縄ジャンプナイト(OJN)は11月18日、沖縄を起点に広がる「戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク」(沖西ネット)について、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の新垣邦雄事務局長を迎えてご報告いただきオンラインで交流した。

賛同は35団体

 自衛隊の軍備強化が進む中で「沖縄大変だね」との声に、「沖縄だけじゃない皆さんが大変」という感覚をもってほしい、各地で戦争準備に反対する市民の会が生まれていることを伝えたい、と23年11月、那覇で初の集会がもたれた。

 軍事施設の新設や拡充が進む地域から抗議の声を上げる市民の会は22年に沖縄のうるま市と沖縄市、23年に大分の敷戸、24年には京都の祝園(ほうその)などで相次いで発足。同年5月に愛媛、8月は沖縄、9月は広島・呉、11月は大分など各地で集会が開かれた。
那覇集会から約2年、今年2月の鹿児島集会で沖西ネットが成立。各地の市民組織は「雨後のタケノコのように」立ち上がり、賛同は35団体にのぼるという。
 今年11月22日の大分集会は敷戸大型弾薬庫の12月完成を目前にして開催。11月23、24日の熊本集会は、年度末に迫る中国まで届く長射程ミサイル国内初配備のギリギリのタイミングに合わせた。
 日本全土が戦場になるとの危機感を持って取り組んだ6月の東京行動では、政府交渉を行い全国交流集会を実施した。10月には国内最大規模の弾薬庫建設が進む京都の祝園地区で全国集会がもたれた(東京行動は本紙6月25日号、京都集会と各地の抗議行動については同11月25日号に掲載)。

 現在は、高市政権の防衛予算前倒しの時期を睨み、全国で同時多発的に集会を開こうと議論しているという。
軍事基地化が著しい沖縄と西日本から始まった市民ネットワーク・沖西ネットに今年は、兵器生産の三菱重工がある軍需産業地域の愛知も参加した。今後は広がる軍拡を見据え、関東、東北、北海道へとネットワークを全国化する構想もある。

情報ギャップ問題
    
 また、新垣さんは「報道」についても言及。
 それは進行する軍拡は一地域の問題にとどまらないのに、その地域では報道されても他地域では報道されないために生じる情報ギャップ問題だ。例えば大分の敷戸弾薬庫の記事は「大分合同」の1面に掲載されたが、他地域での報道はない。
「地方紙の合同取材での連携や記事の交換掲載を望みたい」「沖西ネットは専門家や有識者を紹介できる。活用を」と新垣さんから提案された。
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 
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2026年01月19日

【Bookガイド】1月の“推し本”紹介=萩山 拓(ライター)

 ノンフィクション・ジャンルからチョイスした本の紹介です(刊行順・販価は税別)

◆松場登美『とみとふく━76歳、古民家ひとり暮らしの登美さんと、保護犬フレンチブルドッグ福の幸せな日々』 小学館 1/8刊 1700円
数年前に後進に道を譲り、ひとり暮らしの登美さん。娘の由紀子さんがペットとの暮らしを提案。やってきたのは保護犬で、ちょっぴり不細工な女の子のフレンチブルドッグ。「福」と名付けたその子が登美さんの古民家にきたその日から、登美さんの第二の人生が輝きはじめた!
 著者は1949年、三重県生まれ。島根県大田市大森町の古民家を改修し、アパレル店「群言堂」をオープン。デザイナーとしても長年活躍。石見銀山生活文化研究所の所長を務める。
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◆山口二郎『現代ファシズム論━何が民主主義を壊すのか』朝日新書 1/13刊 900円
米国のトランプ再選、欧州での極右政党の勃興、日本人ファースト……いま世界は自国第一主義に回帰し、民主主義が危機に瀕している。「分断」「対立」「排外」の潮流が、なぜ生まれたのか。その原因を世界の戦後政治の政策からひもとき、混迷の時代を乗り越える術を提言。
 著者は1958年生まれ。法政大学教授。行政学・政治学を専攻。著書に『政権交代とは何だったのか』『民主主義は終わるのか――瀬戸際に立つ日本』(以上、岩波新書)、『民主主義へのオデッセイ──私の同時代政治史』(岩波書店)
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◆森永卓郎+古賀茂明+マガジン9編集部『森永卓郎の戦争と平和講座』集英社新書 1/17刊 960円
がん闘病の末、2025年に亡くなった経済アナリストの森永卓郎。「モリタク」の愛称で親しまれた彼が、2023年までの18年にわたって「マガジン9」に寄稿した連載コラムより、時の政権に切り込み、経済理論に裏打ちされた国家と政治のありようや平和で平等な社会の実現について提言した、38のタイトルを選んで新書化。ここ15年ほどの諸問題を森永はリアルタイムでどう考え、いかに対峙したのか。その軌跡には、これからの日本を生きる私たちへのヒントが詰まっている。
 解説は、元経済産業省の改革派官僚で政治経済評論家の古賀茂明が担当。森永が危惧し予言した延長線上にある、日本の現状を分析する。
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◆小宮正安『 モーツァルトが駆け抜けた時代』春秋社 1/20刊 3200円
「モーツアルトが駆け抜けた時代」.jpg 天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91)は、どのような人生行路を歩んだのか。ヨーロッパ社会全体が大きく地殻変動を起こした激動の18世紀後半。変容してゆく政治・社会・文化的な状況のなかで地政学から文化政策まで、歴史の舞台背景を描き出すとともに、〈早逝の神童〉というイメージをはじめ、破天荒な逸話の数々を同時代の目線から読み解く!
 著者は横浜国立大学教授。著書に『コンスタンツェ・モーツァルト』(講談社選書メチエ)、『モーツァルトを「造った」男』(講談社現代新書)など。
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◆白石太一郎『古墳とヤマト政権━古代国家はいかに形成されたか』吉川弘文館 1/26刊 2200円
3世紀後半〜7世紀にかけて、日本列島各地に数多く造られた古墳。これは何を物語るのか。古墳は単なる首長たちの墓ではない。それぞれの首長たちが担った、その時代の政治的性格をも併せ持つ。その特質を考古学の視点から、一つ一つ丁寧に解明する。東アジアでも特異な大きさや分布から、日本独自の古代国家形成の歩みを描く。
 著者は1938年、大阪府生まれ。奈良大学教授、大阪府立飛鳥博物館館長などを歴任。現在、国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学名誉教授。著書に『古墳と古墳群の研究』『古墳からみた倭国の形成と展開』など。
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◆青木 理『百年の挽歌━原発、戦争、美しい村』集英社 1/26刊 2000円
2011年4月11日深夜、東北の小さな村で、百年余を生きたひとりの男が自ら命を絶った。厳しくもゆたかな自然に囲まれ、人と土地が寄り添ってきた村で、何が彼をそこまで追い詰めたのか。その死の背景を追ううちに見えてきたのは「国策」という名の巨大な影と、時代に翻弄される人々の姿、そして戦争の記憶だった。美しい村の記憶と、そこに生きる人々の尊厳を描く渾身のルポルタージュ。
 著者は1966年、長野県生まれ。1990年に共同通信入社。ソウル特派員などを経て、2006年に独立。フリージャーナリストに。著書に『日本の公安警察』、『安倍三代』『日本会議の正体』など。
  
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2026年01月18日

【リレー時評】原発、ドローン、ベトナム=中村 梧郎(JCJ代表委員)

 東電・柏崎刈羽原発が再稼働する。
 新潟県民の賛否は半々なのに花角知事が容認した。背後には無責任な国の姿勢の逆転がある。昨年の女川に次ぐ認可だ。柏崎を待っていたかのように鈴木北海道知事も泊・再稼働を認めた。

 2011年の福島原発事故以来、政府は「原発の利用を減らしてゆく」と言い続けた。それが突如「原発を活用する」に変わった。

「安全性は政府と規制委が認めた」と言う。その一方、事故に備えて住民避難路は作る。雪の新潟。事故は道路も見えない猛吹雪の時や、深夜に起きるかもしれない。2007年の中越地震では全原子炉が自動停止した。21年には未解明の断層を抱えた能登大地震も起きた。絶対安全だったはずの福島で事故は想定外≠ナ起きている。新潟は札束を握って再び危険領域に踏み込むのか。
 この間、柏崎原発は安全対策のいい加減さが指摘されてきた。最近ではテロ対策の機密文書を社員がコピーしていたことが発覚した。施設内に他者が侵入できる仕組みも露見した。事故に際しての「水を送る施設」の不備もあった。
 
 海からゴムボートなどで近づくテロリストは海上保安庁が阻止、陸上で原発に侵入する暴漢は警察がねじ伏せるという。
だがこんな想定はあまりにも古い。今はミサイルやドローンをどう防げるかである。佐賀の玄海原発に7月、ドローン3機が飛来したと報道された。警備員らは「大型機を見まちがえたのではない、明らかに接近していた」と証言する。誰が何のために飛ばしたのか正体不明だが「誰かが原発の対応能力を調べたのでは」という話も出た。

 原発の天板の脆弱さは福島で露見した。だが、原発上空への侵入を防ぐジオフェンスはどこも備えていない。たとえそれがあっても近づいたドローンがロケットを発射することはできる。防御は不可能に近い。
 そんな中、高市首相が国会で「存立危機事態」を具体例で示した。「台湾で戦艦が武力行使なら」と。では交戦だ≠ニ言うに等しい発言である。

 今の日本は戦争には耐えられない。武器や兵員どころか、原発があるために列島全体が壊滅しかねないからだ。
 原発がロケットで攻撃されたら、どれもが原爆並の爆発物と化す。日本全土には停止中も含め57基もの原発がある。
 原発推進を日本は海外でも進めた。悲しむべきは復興途上のベトナムの導入決定だ。ベトナム国会が16年に原発建設を否決したのは福島事故が余りに衝撃的だったからだ。それが昨年に逆転。日本とロシアによるウラ工作の賜物である。原発事故国、日・ロが受注できる。日本はこれを機に小型モジュール炉(SMR)の実験的建設を提案している。
 福島の処理、廃棄物処分もできない日本が他国に原発を売り込む。これもまた後は野となれ≠フ無責任さである。
          JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 
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2026年01月16日

【JCJ オンライン講演会】ベネズエラと米国・・・現状と行方 講師:新藤 通弘さん(ラテンアメリカ研究者)1月25日(日)午後2時から4時

 
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■開催趣旨
南米ベネズエラに軍事介入しマドゥロ大統領を拘束したトランプ米政権への国際世論の非難はおさまらない。「国際法」と「国連憲章」無視だから当然だが、そんなの関係とトランプ大統領は、狙った石油利権を手に入れた。さらにベネズエラの政策までも親米に移行させようとしている。マドゥロ大統領は独裁者、国民が大量に流出の社会主義志向政権を倒すと主張するが、だれが見ても「自国ファースト」の蛮行だ。マドゥロ路線を引き継ぐロドリゲス暫定大統領は米国とどう折り合いをつけていくのか。トランプ大統領は中南米でこれから何をするのか。ラテンアメリカを長年フォローし分析する研究者・新藤通弘氏がベネズエラと米国の関係について現状と行方などを語る。

■講演者プロフィール:新藤 通弘さん(しんどう・みちひろ ラテンアメリカ研究者)
1944年生まれ。1966年中央大学文学部史学科西洋史専攻卒。2008年、09年、10年、キューバで開催のグローバリゼーション国際会議に招待参加、パネラーとして発言。1997年〜2015年 明治大学商学部、東京国際大学商学部、城西大学経済学部、明治学院大学国際関係学部で非常勤講師を勤める。
著書:単著『現代キューバ経済史』(大村書店、2000年)、『革命のベネズエラ紀行』(新日本出版社、2006年)、『見た、聞いた!キューバ改革最前線』(千葉県AALA連帯委員会、2013年)。共著:住田育法・牛島万『混迷するベネズエラ』(明石書店、2021年)。他にキューバ、ベネズエラなどラテンアメリカについて論文多数。

zoomにてオンライン 記録動画の配信有り
■参加費:500円
参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0125.peatix.com)で参加費をお支払いください。
 (JCJ会員は参加費無料。JCJ会員MLからアクセスURLが送られます。参加にあたり連絡は不要です。)
■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03–6272–9781(月水金の13時から17時まで)
      https://jcj.gr.jp/
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2026年01月15日

【JCJ12月集会】戦後80年からのジャーナリズム 歴史歪曲の誤り糺す 上丸氏 危機招く悪意と「犬笛」 鈴木氏 メディア、コラボ活性化 中川氏=古川英一

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 戦後80年、節目の年も終わろうとする12月6日、東京・渋谷区でJCJは戦後80年を考える4回目の集会・シンポジウムを開いた。今回は3人のジャーナリストが「戦後80年からのジャーナリズムに求められること」をテーマに報告をし、シンポジウムで話し合った。

 3人の報告問題提起

▽元朝日新聞論説委員の上丸洋一さんは「新聞の戦後責任と今ここにある危機」と題して報告。冒頭で、高市政権がせきを切ったように、この80年を大日本帝国に戻そうとしているとして「戦後80年が経って私たちが今いる地点はここなのか」と怒りをこめて語った。その上で戦後の新聞報道が、日本の
戦争責任や、加害者としての立場について、きちんと報道をしてこなかったと指摘し「こぼれ落ちたのは中国へ侵略したことや、他国での死者への想像力だ」と述べた。

▽統一教会問題などを追及している鈴木エイトさんの報告は「メディアとジャーナリズムの可能性」について。鈴木さんはSNSなどネット空間で広がる新聞やテレビなど既成メディアへの悪意が、分断や対立構造を生み出していること。また「犬笛」がネット空間だけではなくリアルにも広がり民主主義への危機を高めていくことを指摘。こうした状況や対立構造を回避しいくためにコミュニケーションの必要性を訴えた。
さらに安倍元首相銃撃事件について、山上被告には「報道では現状は変わらない」という危機感や、絶望があったのではないかとして「メディアが統一教会の問題を取りあげてこなかったことも事件につながったのではないか」とメディアの姿勢について問いかけた。

▽探査報道(調査報道)に特化したTANSAの中川七海さんの問題提起は「『個として立つジャーナリスト』と『コラボレーション』」。中川さんは最初に
「日本には本当のジャーナリズムはあるのか」と投げかけた。かつてはジャーナリズムの「乗り物」としてメディアがあったが、いまはそれが逆転しているのではないかと。そうした中でNGOの調査報道メディアが10年ほど前から世界各地で誕生し、こうしたメディア同士のコラボレーションも活発になっていることを紹介した。
 一方で国内メディアとのコラボレーションはなかなか難しく「それは組織に属する中で、個として立つジャーナリストが少ないからではないか、その結果、記事の受け取り手の市民や社会にしわ寄せが来るのではないか。私たちはライバルや仲間が欲しい」と訴えた。

シンポジウムでは
 
 シンポジウムでは、▽戦争報道を巡る戦後メディアの責任▽SNSの選挙への影響の顕在化なども議論。今起きていることを的確にとらえ、深めていく必要があることなどを指摘された。また、最後にジャーナリズムの役割を心に刻み込む決意を込めた集会アピールが確認された。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 
        

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