沖縄施政権返還(復帰)50年の2022年、沖縄県内の報道は占領下の様々な事象を取材した。
沖縄基地問題の源流となった、復帰闘争や政治分野からのアプローチに加え、人々の暮らしにも焦点をあてた企画が登場した。だがどれも「アメリカ世(ゆー)」を懐か しさという視点から取り上げる傾向は、「復帰」を人々の生活から捉えることの難しさを、つくづく感じさせた。
占領下の人々の生存は、いかに書くことができるのだろうか。私にとっての長年の問いに応えたのが、立命館大学准教授の著者が刊行した本書である。
沖縄がからめとられた米軍の軍事占領下で、日本と米国がふるう主権権力の暴力に、さらされていた多くの人々の「生への意志」を描きだした著作である。
一例として公衆衛生看護婦がある。沖縄戦で多くの医療者が失われた中で、米軍占領とともに登場した専門職は、地域の医療に大きな貢献した。沖縄の人々の生存を支える一方で、米兵の健康管理の公衆衛生策に沿うものでもあった。軍事優先に対する複雑な思いを抱きながら、女性たちは眼前の人々を救うことで、占領が強いる限界を超えようとした。
米軍は沖縄を反共の砦として「復帰」運動を反米的とし弾圧し、占領施策に協力する沖縄の人々の分断を試みた。その結果、占領下の事態は現在も語りにくさが残る。当時、声を上げられなかった人々がほとんどだ。しかし、著者は指摘する。
「こうした人々の日常的な『気付き』や『抗い』は、一般的な『抵抗』とはみなされなかったかもしれないし、『革命』の瞬間へと結実することはなかったかもしれない。それでもその言葉と行動は私たちが『あったかもしれない』現在を想像しその地点から未来を構想できるような『裂け目』を示してくれるのである」
沖縄戦に続く占領、「復帰」後に「軍事化される福祉」のような仕組みが、沖縄で継続し続けているのを気付かせる。(インパクト出版会3200円)
2026年01月13日
【財政カンパ】JCJ発足70年 ご協力に感謝。=古川 英一(事務局長)
JCJ発足70年・財政カンパへのご協力ありがとうございます。
今年で70年を迎えたJCJですが、財政の悪化で運営が厳しい状況が続いています。その状況を打開するために、今回JCJの存続と発展へ向けたカンパキャンペーンを11月からスタートしました。
期間は来年3月末までで運営資金として300万円を目標に会員と機関紙の購読者の方々を中心に呼びかけさせていただいています。
そして開始から一月ほどの12月初旬の段階で、140人近い方から目標金額の3分の1を超えるカンパをお寄せいただきました。皆さまの温かいご支援に深く感謝いたします。
中には「存続と発展を心から願っています」と激励して下さる方もいて、71年目からのJCJの活動を一層充実させていかなければとの思いを強くしています。皆さまのご協力を引き続きよろしくお願いいたします。
j-
今年で70年を迎えたJCJですが、財政の悪化で運営が厳しい状況が続いています。その状況を打開するために、今回JCJの存続と発展へ向けたカンパキャンペーンを11月からスタートしました。
期間は来年3月末までで運営資金として300万円を目標に会員と機関紙の購読者の方々を中心に呼びかけさせていただいています。
そして開始から一月ほどの12月初旬の段階で、140人近い方から目標金額の3分の1を超えるカンパをお寄せいただきました。皆さまの温かいご支援に深く感謝いたします。
中には「存続と発展を心から願っています」と激励して下さる方もいて、71年目からのJCJの活動を一層充実させていかなければとの思いを強くしています。皆さまのご協力を引き続きよろしくお願いいたします。
j-
2026年01月12日
【NHK】次期会長にOB井上副会長 1月25日、局前集会を開催=河野 慎二
NHKの次期会長選考を続けてきた古賀信行経営委員長は8日に開いた臨時指名部会で次期会長を井上樹彦副会長(68)をすることを決定した。NHK出身者の会長就任は橋本元一氏(05年から08年)以来で18年ぶりとなる。
井上氏は1980年に入局、14年から16年に理事を務め、23年2月から副会長を務めている。
現会長の稲葉延雄氏(75)が5月に病気を公表、年明けの1月退任が決まって、7月から始まった次期会長の人選は難航した。古賀氏は11月の経営委員会で、内部出身者から選出する方針を固め、12月8日の臨時指名部会・経営委員会開催となった。委員会は異例の長時間審議の末、経営委員12人のうち9人が内部昇格に賛成し、新会長選出に至ったという。
「経営委の古賀委員長は同日夜の記者会見で『根回しなく、全く予定調和のない形であえて進めてみた』と明かした」(12月9付、読売)
NHK会長は橋本氏が退いた08年以降、政権に近い財界出身者の登用が続き、稲葉会長まで6代にわたって金融、商社など異業種出身者が会長に就いてきた。
会長任期は3年で、その度に経営方針が変わる弊害も指摘され、中には「放送の自立」を踏まえず、「政府に協力するのは当然」と職責への自覚を欠く会長の時代もあり、私たちは政権によるNHKへの介入を批判し「市民と共に歩み自立したNHK会長を求める会」の運動を通じて、自主自立、不偏不党のNHKを実現する会長を訴え続けてきた。
新会長となる井上氏は政治部出身。「歴代首相ら多くの政治家と取材などを通じて親交があることから、政治との距離を懸念する声が経営委員の一部や局内にはある」(12月9日付、朝日)と指摘される。
私たちは1月25日(日)、NHK局前集会を開き、井上次期会長に政治との距離を保ち公共放送NHKの運営を進めるよう求めていく。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
井上氏は1980年に入局、14年から16年に理事を務め、23年2月から副会長を務めている。
現会長の稲葉延雄氏(75)が5月に病気を公表、年明けの1月退任が決まって、7月から始まった次期会長の人選は難航した。古賀氏は11月の経営委員会で、内部出身者から選出する方針を固め、12月8日の臨時指名部会・経営委員会開催となった。委員会は異例の長時間審議の末、経営委員12人のうち9人が内部昇格に賛成し、新会長選出に至ったという。
「経営委の古賀委員長は同日夜の記者会見で『根回しなく、全く予定調和のない形であえて進めてみた』と明かした」(12月9付、読売)
NHK会長は橋本氏が退いた08年以降、政権に近い財界出身者の登用が続き、稲葉会長まで6代にわたって金融、商社など異業種出身者が会長に就いてきた。
会長任期は3年で、その度に経営方針が変わる弊害も指摘され、中には「放送の自立」を踏まえず、「政府に協力するのは当然」と職責への自覚を欠く会長の時代もあり、私たちは政権によるNHKへの介入を批判し「市民と共に歩み自立したNHK会長を求める会」の運動を通じて、自主自立、不偏不党のNHKを実現する会長を訴え続けてきた。
新会長となる井上氏は政治部出身。「歴代首相ら多くの政治家と取材などを通じて親交があることから、政治との距離を懸念する声が経営委員の一部や局内にはある」(12月9日付、朝日)と指摘される。
私たちは1月25日(日)、NHK局前集会を開き、井上次期会長に政治との距離を保ち公共放送NHKの運営を進めるよう求めていく。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月11日
【映画の鏡】取材続けて20年、地方局の底力『負ケテタマルカ‼』命の大切さ訴え、自主上映に挑戦=鈴木賀津彦
c鹿児島テレビ
前号の本欄は「地方テレビ局が底力を発揮」の見出しで広島ホームテレビ制作のドキュメンタリー映画『原爆資料館〜語り継ぐものたち〜』の完成を紹介したが、今月も地方テレビ局が底力を発揮した作品を取り上げ、ローカル局からの新たな奮闘ぶりをお伝えする。
ドキュメンタリー番組「警察官の告白」など一連の鹿児島県警情報漏洩事件の報道で今年のJCJ賞を受賞した鹿児島テレビが今年、あえて配給の手を借りずに「自主上映」を呼び掛けて「息の長い」上映活動にチャレンジしている映画が『負ケテタマルカ‼』だ。
7歳で小脳に悪性腫瘍が見つかった鹿児島市の本田紘輝くん。170万人に1人の確率といわれる難病と向き合い、病院内の学級で絵を描くことに出合う。紘輝くんは問いかける。「何なんだろう、人生って」と。生きることの意味を絵に託した少年と、その家族を追った20年間に及ぶ"命の記録"だ。
この20年、紘輝くんに寄り添いカメラで捉え続けてきたテレビマンが四元良隆監督だ。「ローカル局が作った小さなドキュメンタリーで少しでも命を救えないか、何があっても生きてほしい、そんな思いを込めました。少年と家族を通して、生きることの意味を問いかけながら、テレビが避けてきた『死』と正面から向き合い『生』を見つめました。悩みに悩みを重ね、観てくれる人を信じて作りました」と語る四元監督。
「観てほしい若者たちは単館の映画館に足を運ぶことがほとんどなく、全国上映で伝えても一過性で終わるのではないか」と危惧、新たな発想で拡げていこうと辿り着いた答えが自主上映のカタチだったという。地方局だからこそできる挑戦に注目したい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
前号の本欄は「地方テレビ局が底力を発揮」の見出しで広島ホームテレビ制作のドキュメンタリー映画『原爆資料館〜語り継ぐものたち〜』の完成を紹介したが、今月も地方テレビ局が底力を発揮した作品を取り上げ、ローカル局からの新たな奮闘ぶりをお伝えする。
ドキュメンタリー番組「警察官の告白」など一連の鹿児島県警情報漏洩事件の報道で今年のJCJ賞を受賞した鹿児島テレビが今年、あえて配給の手を借りずに「自主上映」を呼び掛けて「息の長い」上映活動にチャレンジしている映画が『負ケテタマルカ‼』だ。
7歳で小脳に悪性腫瘍が見つかった鹿児島市の本田紘輝くん。170万人に1人の確率といわれる難病と向き合い、病院内の学級で絵を描くことに出合う。紘輝くんは問いかける。「何なんだろう、人生って」と。生きることの意味を絵に託した少年と、その家族を追った20年間に及ぶ"命の記録"だ。
この20年、紘輝くんに寄り添いカメラで捉え続けてきたテレビマンが四元良隆監督だ。「ローカル局が作った小さなドキュメンタリーで少しでも命を救えないか、何があっても生きてほしい、そんな思いを込めました。少年と家族を通して、生きることの意味を問いかけながら、テレビが避けてきた『死』と正面から向き合い『生』を見つめました。悩みに悩みを重ね、観てくれる人を信じて作りました」と語る四元監督。
「観てほしい若者たちは単館の映画館に足を運ぶことがほとんどなく、全国上映で伝えても一過性で終わるのではないか」と危惧、新たな発想で拡げていこうと辿り着いた答えが自主上映のカタチだったという。地方局だからこそできる挑戦に注目したい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月10日
【JCJ Online講演会】「スパイ防止法を考える」連続オンライン講演会第1回 スパイ防止法は国家の情報管理を目指す 講師:足立 昌勝さん(関東学院大学名誉教授)1月17日(土)午後2時から4時
■開催趣旨
日本の軍事化へのアクセルを加速させている高市政権。スパイ防止法や国家情報局の設置などにも前のめりの姿勢を示していて、今年は法案の国会提出などが予想されます。日本を戦前へ引き戻し、民主主義と平和を脅かすような動きを、私たち市民は阻止していかなければなりません。JCJではこうした危機感から、今後スパイ防止法などの問題に関わっている方々の話を聞き、共に考えていくオンライン講演会を連続して開催します。
第1回は、これまでも秘密保護法や共謀罪などに反対する活動を続けてきた関東学院大学名誉教授の足立昌勝さんにスパイ防止法と、その先にある国家情報局をめぐる動きについてお話をうかがいます。
足立さんはスパイ防止法が市民を萎縮させ、表現の自由が脅かされると指摘します。スパイ防止法・国家情報局へと向かう高市政権の狙いは何なのか、ジャーナリズムや市民はどう対抗していけばよいのかなどについて解説していただきます。
■講演者プロフィール:足立昌勝さん
1943年生まれ、中央大学法学部大学院法学研究科博士課程単位取得退学。静岡大学法経短期大学部教授を経て、1992年関東学院大学法学部教授、2014年同大学名誉教授。現在、救援連絡センター代表、日弁連刑事法制委員会助言者。
足立昌勝さん
■zoomにてオンライン 記録動画の配信有り
■参加費:500円
参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0117.peatix.com)で参加費をお支払いください。
(JCJ会員は参加費無料。JCJ会員MLからアクセスURLが送られます。参加にあたり連絡は不要です。)
■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
03–6272–9781(月水金の13時から17時まで)
https://jcj.gr.jp/
2026年01月09日
【焦点】日本外し≠ナ米中連携も 学会票失い自民ピンチ 維新切り捨て国民民主と連立? 星野氏オンライン講演=橋詰雅博
日中対立、物価急騰、円安でインフレ加速、バラマキによる財政悪化への不安、防衛費増額―悪材料が多いのに高市早苗政権の支持率の高さはちょっと異常だ。初の女性首相、派手なパフォーマンス、ストレートな物言い、対中強硬姿勢が若者や30、40代の働く世代に受けているという。だが高市政権は、内憂外患に違いない。11月24日のJCJオンライン講演に出演した政界を長年ウオッチするTBSコメンテーター・星浩氏は日中関係の展望、1月解散総選挙の有無などを話した。
こじれる日中関係について星氏は「トランプ米大統領は来年4月に訪中する。このとき日中がまだモメ続けていたら中国の習近平国家主席との会談で自国ファーストのトランプ氏は『米中で手を組んでうまくやろうぜと』と持ち掛ける。日本外し≠ニいう最悪の展開になる。この数カ月間で対中関係を修復させる必要がある」と述べた。
とはいえ日本に名案はなく、「高市発言はシミュレーションに過ぎず、『一つの中国』を理解・尊重する1972年の日中共同声明に基づく考えに変わりはないと中国側に言い続けるしかない」と星氏は指摘。ただ、「この問題だけで高市首相が辞任することはない」という。
解散5、6月有力
政権の高支持率、上向く自民党支持率、この機を逃さず高市首相は1月に解散総選挙に踏み込むという見方が広まっている。「1月総選挙では、26年度予算成立が4月にズレ込み、景気が冷え込む可能性が高い。経済界も反対でしょう。5月か6月解散が有力」(星氏)。
自民党は総選挙で勝てるのか。
「公明党の選挙母体、創価学会は、各小選挙区で数千から2万の票を持っている。公明の連立離脱でこの票が自民からごっそり抜ける。それだけではなく、抜けた学会票が立憲民主党にシフトしたら、自民と入れ替わり立憲候補者が当選というケースも出てくる。自公連立解消は、自民に大きなデメリットです」「連立を組んだ日本維新の会の票は、大阪界隈。自民にメリットはない」「国政選挙3回目の参政党は、幸福の科学と浅からぬ関係があるようで、勢いが衰えなければ保守票をさらに奪う。くわれるのは自民です」
「その上に経済低迷なら自民は苦戦する」と星氏は予測した。
維新と組んでもうま味がないと分かれば自民は維新を切り捨て自民に未練がある玉木雄一郎代表が率いる国民民主党と新たに連立を組むかもしれない。
悪くない岡田氏
「平和」と「福祉」の党として原点回帰の公明に関し星氏は「政策が近い立憲と国民民主を公明が束ねることができたならば、政権交代も夢ではない」と述べた。
「台湾有事は日本有事」―高市首相発言を引き出した立憲の岡田克也元外相は「あんな質問した岡田が悪い」とネット空間でバッシングされた。さらに読売新聞は11月13日付社説で岡田氏を批判。星氏の意見はこうだ。
「『しつこく首相に見解ただした』『安保政策を政局に利用するのはもってのほかだ』と社説に書いていた。『しつこく』は主観的な表現で論理的ではない。『安保政策』を問いただすのは野党の最大任務。おかしくない」。
戦争に巻き込まれたくないは庶民の願い。それを叶えるのがメディアの役割ではないか。社説にその視点が欠けているように思えた。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月08日
【JCJ声明】アメリカ・トランプ政権のベネズエラへの軍事作戦と大統領拘束に強く抗議する
アメリカのトランプ政権は1月3日、ベネズエラの首都カラカスへの軍事作戦を行い、マドゥーロ大統領を拘束しアメリカ国内に移送した。そのうえでトランプ大統領は適切な政権移行ができるまでベネズエラを運営すると発表した。
これら、一連の行為は、武力による威嚇または行使を禁止している国連憲章に反し、どのような政権であろうと、国民主権を尊重し、武力による現状変更を認めない国際法と国際秩序の大原則を蹂躙するもので、断じて許すことはできない。
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、今回のトランプ政権の暴挙は決して看過できるものではなく、強く抗議し、国際社会で覇権主義国家が台頭する中で、トランプ政権が「力による支配」を改め、主権国家ベネズエラへの干渉をやめ、改めてベネズエラの独立と平和を守る立場を明らかにするよう求める。
一方、高市首相は1月5日の記者会見で、「ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力を進めていく」と述べるにとどめた。日本政府としてトランプ政権の今回の軍事作戦に憂慮や懸念を示すことなく、現状を傍観し黙認しているのだ。
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、こうした高市政権の対応についても強く抗議し、トランプ政権の非をきちんと訴え、「法の支配」と国際秩序を取り戻し、世界の平和は武力では保たれないという日本のスタンスを世界に向けて発信していくことを求める。
言論の自由は、平和な世界でしか成り立たない。国内だけでなく全世界のメディアが、あくまで「真実の報道」を貫き、トランプ政権の暴挙をやめさせるよう、声を集め、国際世論を作っていくよう、改めて訴える。
2026年1月6日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
これら、一連の行為は、武力による威嚇または行使を禁止している国連憲章に反し、どのような政権であろうと、国民主権を尊重し、武力による現状変更を認めない国際法と国際秩序の大原則を蹂躙するもので、断じて許すことはできない。
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、今回のトランプ政権の暴挙は決して看過できるものではなく、強く抗議し、国際社会で覇権主義国家が台頭する中で、トランプ政権が「力による支配」を改め、主権国家ベネズエラへの干渉をやめ、改めてベネズエラの独立と平和を守る立場を明らかにするよう求める。
一方、高市首相は1月5日の記者会見で、「ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力を進めていく」と述べるにとどめた。日本政府としてトランプ政権の今回の軍事作戦に憂慮や懸念を示すことなく、現状を傍観し黙認しているのだ。
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、こうした高市政権の対応についても強く抗議し、トランプ政権の非をきちんと訴え、「法の支配」と国際秩序を取り戻し、世界の平和は武力では保たれないという日本のスタンスを世界に向けて発信していくことを求める。
言論の自由は、平和な世界でしか成り立たない。国内だけでなく全世界のメディアが、あくまで「真実の報道」を貫き、トランプ政権の暴挙をやめさせるよう、声を集め、国際世論を作っていくよう、改めて訴える。
2026年1月6日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
2026年01月07日
【マスコミ評・出版】現場取材から「希望」が見える=荒屋敷 宏
『地平』1月号には@困窮ニッポン―物価高騰と排外主義、A軍拡からの脱出、Bソーシャリズム復活―連帯と自由のNYの特集3本が並ぶ。
@の東海林智氏(毎日新聞記者)の「排外主義と低賃金―労働者の連帯と分断」は、長年、労働と貧困・格差の現場を取材してきた記者の含蓄のある論考である。
参政党の街頭演説を聞いていた30代前半の男性の話を紹介している。「外国人にうまいことやられている感覚がある」と語る男性は参政党支持者ではなく、SNSがきっかけという。食事の配送の仕事を外国人に横取りされたと思い込み、今は隙間バイトと宅配で生計を立てているという。その男性が口にした「何かが変わる」という期待感が、参政党の街頭演説に足を運ぶ理由になっているらしいことに気づく。2009年のヘイトデモでも東海林氏は同じ出来事に出くわしたことを思い出す。
不安定雇用のもとで、10年以上前から生活を変える何かを求める心情が、マグマのようにたまっていたのではないかと考察している。低賃金で放置された非正規労働の現場の取材は重要だ。
『前衛』1月号に掲載された本吉真希氏(「しんぶん赤旗」日曜版記者)の「長生炭鉱遺骨収容―問われる歴史に向き合わない日本政府の態度」にも注目した。山口県宇部市の床波海岸にある長生炭鉱跡地は、1942年2月3日に大規模な水没事故(水非常)が発生し、朝鮮人136人、日本人47人の計183人が犠牲になった。
今年8月、民間のダイバーの協力により頭蓋骨や大腿骨などの遺骨が収容された。事故から83年も経過したが、日本政府は長生炭鉱の遺骨収容をしてこなかったのである。
水没事故の犠牲者は、アジア太平洋戦争における石炭増産の国策と人命軽視が原因だった。「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と韓国遺族会は、日本政府に遺骨の発掘と返還を求めたが、政府は「海底のため…発掘は困難」として戦争加害国の責任と誠意を示していない。戦前の日本政府が犯した朝鮮人の強制連行・強制労働の象徴としての長生炭鉱の歴史に、少なくない市民が向き合い、遺骨の収容と返還を願って募金をしているという。
「韓国の市民も長生炭鉱をいく度も訪れ、日本の市民との連帯を強めて」いる姿を本吉記者は現場取材で見てきたという。来年(2026年)2月には日本と世界からダイバー7人が長生炭鉱跡地で遺骨収集のために集まる。現場取材から希望が見える。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
@の東海林智氏(毎日新聞記者)の「排外主義と低賃金―労働者の連帯と分断」は、長年、労働と貧困・格差の現場を取材してきた記者の含蓄のある論考である。
参政党の街頭演説を聞いていた30代前半の男性の話を紹介している。「外国人にうまいことやられている感覚がある」と語る男性は参政党支持者ではなく、SNSがきっかけという。食事の配送の仕事を外国人に横取りされたと思い込み、今は隙間バイトと宅配で生計を立てているという。その男性が口にした「何かが変わる」という期待感が、参政党の街頭演説に足を運ぶ理由になっているらしいことに気づく。2009年のヘイトデモでも東海林氏は同じ出来事に出くわしたことを思い出す。
不安定雇用のもとで、10年以上前から生活を変える何かを求める心情が、マグマのようにたまっていたのではないかと考察している。低賃金で放置された非正規労働の現場の取材は重要だ。
『前衛』1月号に掲載された本吉真希氏(「しんぶん赤旗」日曜版記者)の「長生炭鉱遺骨収容―問われる歴史に向き合わない日本政府の態度」にも注目した。山口県宇部市の床波海岸にある長生炭鉱跡地は、1942年2月3日に大規模な水没事故(水非常)が発生し、朝鮮人136人、日本人47人の計183人が犠牲になった。
今年8月、民間のダイバーの協力により頭蓋骨や大腿骨などの遺骨が収容された。事故から83年も経過したが、日本政府は長生炭鉱の遺骨収容をしてこなかったのである。
水没事故の犠牲者は、アジア太平洋戦争における石炭増産の国策と人命軽視が原因だった。「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と韓国遺族会は、日本政府に遺骨の発掘と返還を求めたが、政府は「海底のため…発掘は困難」として戦争加害国の責任と誠意を示していない。戦前の日本政府が犯した朝鮮人の強制連行・強制労働の象徴としての長生炭鉱の歴史に、少なくない市民が向き合い、遺骨の収容と返還を願って募金をしているという。
「韓国の市民も長生炭鉱をいく度も訪れ、日本の市民との連帯を強めて」いる姿を本吉記者は現場取材で見てきたという。来年(2026年)2月には日本と世界からダイバー7人が長生炭鉱跡地で遺骨収集のために集まる。現場取材から希望が見える。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月06日
【月刊マスコミ評・新聞】思わず目を疑った読売の社説=白垣詔男
高市早苗首相が11月26日、就任後初の国会党首討論に臨んだ。その中で、首相が衆院予算委で発言した「台湾有事について」ただしたのは立憲民主党の野田佳彦代表。日中関係の悪化を改善しなければという意思が感じられた。しかし、首相は自らの責任問題には触れず、予算委で質問した立憲民主党の岡田克也氏の質問内容が適切でなかったかのような自己弁護に終始した。
この党首討論について朝日、読売は翌27日朝刊社説に、毎日は28日朝刊社説で触れた。朝日は「誠実とは遠い首相答弁」の見出しで「自身に問題がなかったかのように開き直る。唐突に論点をずらし切り返す。都合の悪い質問は無視する―。一国の指導者としての責任の重さを同考えているのか」「(予算委で)まるで質問した方に原因があると言わんばかりだ」と痛烈に批判する。毎日も「責任転嫁では解決しない」の見出しで「(こじれた日中関係の)改善につながる道筋を示せなかった」「(予算委での)軽率な答弁で緊張を高めたことへの反省がうかがえない」と指摘した。
以上2紙はジャーナリズムからの言説で、国民の大多数が納得する内容だった。しかし、読売の社説は、目を疑う内容だった。「(予算委で岡田氏が首相に)答弁を執拗(しつよう)に迫った立民の責任を棚上げし、首相を責め立てる野田氏の姿勢は理解に苦しむ」「野田氏はまた、首相在任中の2012年に尖閣列島を国有化し、中国が猛反発したことに触れ、現状は『(当時の摩擦)より深刻ではないか』と述べた。…どちらが深刻か論じることに何の意味があるのか」と書く。
以前から「読売は自民党の広報紙か」と思っていたが、今回の社説を読んだとき、その感を確信するとともに、首相の言い分を分析するよりも、質問内容を問題視するとは。こうした「文章を書く論説委員の非常識さに、あぜんとした。
なお、首相が野田氏に、企業・団体献金の規制を「そんなことより定数の削減をやりましょうよ」と言ったことについて、朝日は社説で「『そんなこと』とは何事だろうか」と問題視していたが、他紙は、党首討論後に野田氏や斉藤鉄夫公明党代表が発言したことによって、翌28日の紙面から問題視。政治記者の感度に「?」が付く。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
この党首討論について朝日、読売は翌27日朝刊社説に、毎日は28日朝刊社説で触れた。朝日は「誠実とは遠い首相答弁」の見出しで「自身に問題がなかったかのように開き直る。唐突に論点をずらし切り返す。都合の悪い質問は無視する―。一国の指導者としての責任の重さを同考えているのか」「(予算委で)まるで質問した方に原因があると言わんばかりだ」と痛烈に批判する。毎日も「責任転嫁では解決しない」の見出しで「(こじれた日中関係の)改善につながる道筋を示せなかった」「(予算委での)軽率な答弁で緊張を高めたことへの反省がうかがえない」と指摘した。
以上2紙はジャーナリズムからの言説で、国民の大多数が納得する内容だった。しかし、読売の社説は、目を疑う内容だった。「(予算委で岡田氏が首相に)答弁を執拗(しつよう)に迫った立民の責任を棚上げし、首相を責め立てる野田氏の姿勢は理解に苦しむ」「野田氏はまた、首相在任中の2012年に尖閣列島を国有化し、中国が猛反発したことに触れ、現状は『(当時の摩擦)より深刻ではないか』と述べた。…どちらが深刻か論じることに何の意味があるのか」と書く。
以前から「読売は自民党の広報紙か」と思っていたが、今回の社説を読んだとき、その感を確信するとともに、首相の言い分を分析するよりも、質問内容を問題視するとは。こうした「文章を書く論説委員の非常識さに、あぜんとした。
なお、首相が野田氏に、企業・団体献金の規制を「そんなことより定数の削減をやりましょうよ」と言ったことについて、朝日は社説で「『そんなこと』とは何事だろうか」と問題視していたが、他紙は、党首討論後に野田氏や斉藤鉄夫公明党代表が発言したことによって、翌28日の紙面から問題視。政治記者の感度に「?」が付く。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月05日
【おすすめ本】西方ちひろ『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』―非暴力から武装闘争へ──痛苦の転換=鈴木 耕(編集者)
世界はいま、血と殺戮に満ちているとしか言いようがない…。
本書はミャンマー軍事政権の下で、市民たちの優しく切ない非暴力抵抗が、ついに武器を手にした闘争へと変貌していく過程を、現地での体験をもとに書き記したもの。軍事独裁政権が持つ悪辣な抑圧と残虐な暴力の凄まじさが際立つ。
2021年の軍事クーデターは、国民が抱いた民主主義への希望を、卵の殻を踏み潰すようにあっさりと打ち砕いた。民主化のシンボルであったアウンサンスーチー氏は自宅軟禁され、民主選挙の結果は軍靴の下に壊滅した。だがそこから人々の抵抗が始まる。SNSで集まり、鍋を打ち叩いて抵抗の意志を示し、さまざまな手段を使って全国で闘いを繰り広げる。
著者は国際開発の仕事で大都市ヤンゴンに暮らしていたが、銃口と抵抗を目の当たりにした。それを国際社会に伝えるべく、SNSでイラストなども駆使して状況を発信していく。報じられることの少ないミャンマーの市民たちの闘いが、リアルな臨場感を伴って記録される。追いつめられてついに非暴力抵抗から武器を手にした武装闘争へ転換していく若者たちの痛苦な想いが悲しい。
著者は日本のミャンマーへの関わりにも目を向ける。政府も企業もミャンマー国民よりも軍事政権を優先している現状を厳しく批判する。
この12月には選挙が行われるが、民主的とはとうてい言い難い軍事政権下の偽装選挙だ。やむを得ないとはいえ銃を執った若者たちへの著者の眼差しが切ない。(集英社 1800円)
本書はミャンマー軍事政権の下で、市民たちの優しく切ない非暴力抵抗が、ついに武器を手にした闘争へと変貌していく過程を、現地での体験をもとに書き記したもの。軍事独裁政権が持つ悪辣な抑圧と残虐な暴力の凄まじさが際立つ。
2021年の軍事クーデターは、国民が抱いた民主主義への希望を、卵の殻を踏み潰すようにあっさりと打ち砕いた。民主化のシンボルであったアウンサンスーチー氏は自宅軟禁され、民主選挙の結果は軍靴の下に壊滅した。だがそこから人々の抵抗が始まる。SNSで集まり、鍋を打ち叩いて抵抗の意志を示し、さまざまな手段を使って全国で闘いを繰り広げる。
著者は国際開発の仕事で大都市ヤンゴンに暮らしていたが、銃口と抵抗を目の当たりにした。それを国際社会に伝えるべく、SNSでイラストなども駆使して状況を発信していく。報じられることの少ないミャンマーの市民たちの闘いが、リアルな臨場感を伴って記録される。追いつめられてついに非暴力抵抗から武器を手にした武装闘争へ転換していく若者たちの痛苦な想いが悲しい。
著者は日本のミャンマーへの関わりにも目を向ける。政府も企業もミャンマー国民よりも軍事政権を優先している現状を厳しく批判する。
この12月には選挙が行われるが、民主的とはとうてい言い難い軍事政権下の偽装選挙だ。やむを得ないとはいえ銃を執った若者たちへの著者の眼差しが切ない。(集英社 1800円)
2026年01月04日
【フォトアングル】キャスター金平茂紀氏が高市政権の危険性指摘=12月6日、東京都豊島区、伊東良平撮影
JCJ12月集会が開催された12月6日の夜、大塚の東京労働会館で「憲法と教育の改悪を許さない!」12月集会が行われた。
「教育を壊すな!市民と教職員東京ネットワーク」など教育関連団体からなる実行委員会の主催で、毎年1回この時期に行っていて今年で23回目。第1部の東京の学校現場と運動からの報告に続いて第2部は元TBS「報道特集」キャスター金平茂紀さんが「憲法破壊と核武装賛成の政党が支持される時代の中でどう正気を保つか」というテーマで高市政権の危険性などを講演、90名が参加した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月03日
【1月出版界の動き】島根・大田市が書店事業者を公募!
◆11月紙書籍・雑誌の販売金額771億円・5.5%減
直販ルートを除く取次ルート軽油で771億3700万円(前年同月比5.5%減)、書籍477億9300万円(同1.4%減)、雑誌293億4400万円(同11.5%減)。雑誌の内訳は、月刊誌が同8.4%減、週刊誌が同28.4%減。返品率は書籍が同1.2ポイント減の31.3%、雑誌は同0.7ポイント増の44.7%。
書店店頭での売れ行きは、書籍が約3%増で、文芸約6%増、文庫本約5%増、ビジネス書約6%増、学参約8%増、児童書約2%増、新書本約3%増。雑誌は定期誌が約5%減、雑誌扱いコミックスが約6%減、ムックが約5%増。
◆生成AI×知的財産保護の新ルール案にパブコメ
内閣府は生成AIと知的財産権の保護に関する規制案=「プリンシプル・コード」について、パブリックコメントの募集を始めた。
これは「AI事業者コーポレートサイトで使用モデルの名称や設計仕様、AIのトレーニング法、学習データの種類などを開示する」など、生成AIサービスの基本情報を誰にでも見える形で開示するよう求めている。プリンシプル・コードは強制開示を求めるものではないものの、これに則らないAI事業者はその理由を説明する必要があるという。
提出方法はWebと郵送に対応。募集期間は2026年1月26日まで。
◆無書店の島根・大田市が事業者公募
開設資金として最大500万円支援。加えて家賃や販売促進費などの費用を1年につき最大500万円、10年間通して助成。同市役所で26年1月30日午後5時まで受け付け。
主な応募条件は以下の通り。
1. 一般書から専門書まで多様な分野・ジャンルにわたる書籍を取り扱うこと
2. 書籍・雑誌に係る売り場面積が100u以上あること
3. 所定の定休日を除き、常時継続的かつ安定的に営業する店舗であること。不定期な営業形態によらないこと。
4. 計画認定の日(概ね2月頃)から1年以内に事業開始する見込みがあること
◆スマートニュース、KADOKAWAと提携
スマートニュースは自社のアプリで、KADOKAWAの漫画サイト「カドコミ」から厳選した作品の紹介コンテンツを順次配信をスタート。本取り組みを通じて、ユーザーが“知らなかった漫画に出会える”新しい読書体験の創出を目指す。
あらすじや見どころを伝えるテキストとビジュアルを組み合わせ、ユーザーが気になる作品を見つけられる構成としている。取り上げる代表的な作品は以下のとおり。
『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ / 漫画:春河35)
『義妹生活』(原作:三河ごーすと / 漫画:奏ユミカ/ キャラクター原案:Hiten)
『夜は猫といっしょ』(著者:キュルZ)
◆年間ベストセラー1位『大ピンチずかん3』
有隣堂が「25年間ベストセラー」ランキングを発表。書籍1位は『大ピンチずかん3』(小学館)、2位は『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)、3位は『カフネ』(講談社)。
有隣堂のシステム「Book Store Central」のデータをもとに算出。集計期間は24年12月〜25年11月。有隣堂全店における雑誌・文庫・コミックを除いた販売数上位をランキング化。
◆「直木賞」候補作、14日に決定
日本文学振興会が直木賞の候補作を下記の通り発表。受賞作は1月14日に決定。
嶋津輝『カフェーの帰り道』(東京創元社)
住田祐『白鷺立つ』(文藝春秋)
大門剛明『神都の証人』(講談社)
葉真中顕『家族』(文藝春秋)
渡辺優『女王様の電話番』(集英社)
◆「夏の100分de名著フェア」好成績
7月から9月末にかけて行ったNHK出版の同フェアの売上金額が、本体価格ベースで4026万円、4000万円の大台を突破。前年の約2480万円から1.6倍規模となり好調だった。参加書店は981店(前年は669店)で、受注金額は約1億0800万円(同約5800万円)。売上ベスト3の書店は、1位:丸善丸の内本店(東京)2位:紀伊國屋書店新宿本店 3位:ジュンク堂書店池袋本店。
直販ルートを除く取次ルート軽油で771億3700万円(前年同月比5.5%減)、書籍477億9300万円(同1.4%減)、雑誌293億4400万円(同11.5%減)。雑誌の内訳は、月刊誌が同8.4%減、週刊誌が同28.4%減。返品率は書籍が同1.2ポイント減の31.3%、雑誌は同0.7ポイント増の44.7%。
書店店頭での売れ行きは、書籍が約3%増で、文芸約6%増、文庫本約5%増、ビジネス書約6%増、学参約8%増、児童書約2%増、新書本約3%増。雑誌は定期誌が約5%減、雑誌扱いコミックスが約6%減、ムックが約5%増。
◆生成AI×知的財産保護の新ルール案にパブコメ
内閣府は生成AIと知的財産権の保護に関する規制案=「プリンシプル・コード」について、パブリックコメントの募集を始めた。
これは「AI事業者コーポレートサイトで使用モデルの名称や設計仕様、AIのトレーニング法、学習データの種類などを開示する」など、生成AIサービスの基本情報を誰にでも見える形で開示するよう求めている。プリンシプル・コードは強制開示を求めるものではないものの、これに則らないAI事業者はその理由を説明する必要があるという。
提出方法はWebと郵送に対応。募集期間は2026年1月26日まで。
◆無書店の島根・大田市が事業者公募
開設資金として最大500万円支援。加えて家賃や販売促進費などの費用を1年につき最大500万円、10年間通して助成。同市役所で26年1月30日午後5時まで受け付け。
主な応募条件は以下の通り。
1. 一般書から専門書まで多様な分野・ジャンルにわたる書籍を取り扱うこと
2. 書籍・雑誌に係る売り場面積が100u以上あること
3. 所定の定休日を除き、常時継続的かつ安定的に営業する店舗であること。不定期な営業形態によらないこと。
4. 計画認定の日(概ね2月頃)から1年以内に事業開始する見込みがあること
◆スマートニュース、KADOKAWAと提携
スマートニュースは自社のアプリで、KADOKAWAの漫画サイト「カドコミ」から厳選した作品の紹介コンテンツを順次配信をスタート。本取り組みを通じて、ユーザーが“知らなかった漫画に出会える”新しい読書体験の創出を目指す。
あらすじや見どころを伝えるテキストとビジュアルを組み合わせ、ユーザーが気になる作品を見つけられる構成としている。取り上げる代表的な作品は以下のとおり。
『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ / 漫画:春河35)
『義妹生活』(原作:三河ごーすと / 漫画:奏ユミカ/ キャラクター原案:Hiten)
『夜は猫といっしょ』(著者:キュルZ)
◆年間ベストセラー1位『大ピンチずかん3』
有隣堂が「25年間ベストセラー」ランキングを発表。書籍1位は『大ピンチずかん3』(小学館)、2位は『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)、3位は『カフネ』(講談社)。
有隣堂のシステム「Book Store Central」のデータをもとに算出。集計期間は24年12月〜25年11月。有隣堂全店における雑誌・文庫・コミックを除いた販売数上位をランキング化。
◆「直木賞」候補作、14日に決定
日本文学振興会が直木賞の候補作を下記の通り発表。受賞作は1月14日に決定。
嶋津輝『カフェーの帰り道』(東京創元社)
住田祐『白鷺立つ』(文藝春秋)
大門剛明『神都の証人』(講談社)
葉真中顕『家族』(文藝春秋)
渡辺優『女王様の電話番』(集英社)
◆「夏の100分de名著フェア」好成績
7月から9月末にかけて行ったNHK出版の同フェアの売上金額が、本体価格ベースで4026万円、4000万円の大台を突破。前年の約2480万円から1.6倍規模となり好調だった。参加書店は981店(前年は669店)で、受注金額は約1億0800万円(同約5800万円)。売上ベスト3の書店は、1位:丸善丸の内本店(東京)2位:紀伊國屋書店新宿本店 3位:ジュンク堂書店池袋本店。
2026年01月02日
【焦点】レアアース回収とミサイル発射 南鳥島で国家事業が始動 対中政策の一環=橋詰雅博
東京から1900qの日本最南端の小笠原諸島・南鳥島が今年2026年、注目される。というのは小さな島内で2つの国家事業が展開されるからだ。一つは内閣府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環としてレアアース(希土類)を含む泥の処理施設が設置される。SIPは、探査船を用いて、1月から南鳥島沖合で泥を回収する試験採鉱を行う。レアアース泥を積んだ運搬船は島まで運ぶ。施設では泥の塊からレアアースを分離・精錬。内閣府は27年2月から本格スタートするこうした実証試験の整備費として25年度補正予算で164億円をSPIに計上した。
南鳥島沖合にはレアアースを含む豊富な泥があることが判明している。EV自動車などハイテク産業に必須のレアアースは、世界の生産量の7割を中国が占める。日米の貿易交渉で有利に進める武器≠ニして中国は利用しようとしている。国産レアアースが安定的に得られたら、中国主導の貿易から逃れられる可能性が高い。
もう一つ、防衛省は陸上自衛隊が保有する「12式地対空ミサイル」の射撃場を整備する。このミサイルは地上から海上の艦艇に攻撃するもので、射程100`を超える射撃場の整備は国内で初めて。すでに小笠原村へは計画を説明済みで、2026年以降、年数回訓練を実施する見込み。台湾有事を視野に入れた演習だ。
実はこの南鳥島は、核のゴミの地層処分の適地に挙げられたことがある。
4年前、文化庁芸術祭優秀賞を受賞したドキュメンタリー番組「ネアンデルタール人は核の夢をみるか〜核のごみ≠ニ科学と民主主義〜」の制作した北海道放送報道部デスクの山ア裕侍氏は、22年1月号のJCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」の寄稿で、こんな秘話を明かしている。
<あるイベント会場で顔を合わせたルポライターの鎌田慧さんが「核のごみの文献調査が進んでいるけど、南鳥島が適地だという説があるのを知っているかい?」と山アさんに尋ねた。山アさんが初めて知ったと答えると、数日後、鎌田さんがファックスで送ってくれたのは南鳥島が適地と紹介した静岡県立大学の尾池和夫学長のエッセイだった。>
番組では南鳥島案を最初に提案した平朝彦・前海洋研究開発機構理事長を取材し、経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)がその提案を蹴ったことを明らかにした。
レアアース回収施設とミサイル射撃場を備える南鳥島。核のゴミの地層処分の適地としては残念ながら幻に終わった。
南鳥島沖合にはレアアースを含む豊富な泥があることが判明している。EV自動車などハイテク産業に必須のレアアースは、世界の生産量の7割を中国が占める。日米の貿易交渉で有利に進める武器≠ニして中国は利用しようとしている。国産レアアースが安定的に得られたら、中国主導の貿易から逃れられる可能性が高い。
もう一つ、防衛省は陸上自衛隊が保有する「12式地対空ミサイル」の射撃場を整備する。このミサイルは地上から海上の艦艇に攻撃するもので、射程100`を超える射撃場の整備は国内で初めて。すでに小笠原村へは計画を説明済みで、2026年以降、年数回訓練を実施する見込み。台湾有事を視野に入れた演習だ。
実はこの南鳥島は、核のゴミの地層処分の適地に挙げられたことがある。
4年前、文化庁芸術祭優秀賞を受賞したドキュメンタリー番組「ネアンデルタール人は核の夢をみるか〜核のごみ≠ニ科学と民主主義〜」の制作した北海道放送報道部デスクの山ア裕侍氏は、22年1月号のJCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」の寄稿で、こんな秘話を明かしている。
<あるイベント会場で顔を合わせたルポライターの鎌田慧さんが「核のごみの文献調査が進んでいるけど、南鳥島が適地だという説があるのを知っているかい?」と山アさんに尋ねた。山アさんが初めて知ったと答えると、数日後、鎌田さんがファックスで送ってくれたのは南鳥島が適地と紹介した静岡県立大学の尾池和夫学長のエッセイだった。>
番組では南鳥島案を最初に提案した平朝彦・前海洋研究開発機構理事長を取材し、経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)がその提案を蹴ったことを明らかにした。
レアアース回収施設とミサイル射撃場を備える南鳥島。核のゴミの地層処分の適地としては残念ながら幻に終わった。
2026年01月01日
2025年12月31日
【反戦】戦争への道阻む!全国で叫び訴え 被害者にも加害者にもなりたくない
9月25日にレゾリユートドランゴンが終わったら、10月20日から31日まに過去最大規模で「自衛隊統合演習(実働演習)」が行われた。陸海空3自衛隊と米豪2カ国の共同作戦演習だ。参加人員は自衛隊が約5万2300人、車両4180台、艦船約60隻、航空機約310機。米軍は人員約5900人。豪軍は人員約230人。陸海空のほか、宇宙・サイバーや電磁波演習もあり、一部には土日を含む夜間演習が行われた。民間空港・漁港の利用も拡大され、北海道から沖縄まで8空港と31港湾を使用。こうした訓練には日本各地で抗議行動が起きた。
□
京都・祝園に2700人 大型爆弾14棟増設に反対京都・祝園に2700人 大型爆弾14棟増設に反対
古都京都・祝園(ほうその)の陸上自衛隊祝園分屯地の弾薬庫は、周りに国立国会図書館関西館や多くの研究施設、大学、企業がある学研都市に位置する。
弾薬庫は建設当時から“東洋一”といわれたが今年8月、更に計14棟の大型弾薬庫増設工事が開始された。増設は全国最大規模。現時点で投入された税金300億円以上だが、防衛省が開いたのはわずかに工事説明会のみ。弾薬庫増設についての住民説明会はなく、長射程ミサイル保管に関する情報は一切非公開のまま工事は強行され、全国住民の不安と怒りが集会に結実した。
●10月18日 全国交流会 地元の京都、神戸、大阪、名古屋、岐阜、広島、大分、熊本、神奈川、東京・横田、沖縄・宮古島などから140人が参加。現状報告や活動報告があり、大型弾薬庫問題やXバンドレーダー配備、騒音被害や公道を通る自衛隊車列など、全国の住民から数多くの不安が語られた。
●10月19日 祝園全国集会 基地に反対し平和を求める市民2700人が全国から結集。弾薬庫近くの「けいはんな記念公園」芝生広場は人で埋まった。
第1部は祝園Peace Pieceフェス、第2部は全国リレートーク。沖縄、熊本、大分、広島、愛媛、京都、大阪、奈良、滋賀、兵庫、和歌山、愛知、静岡、神奈川、東京、日本各地からの訴えが続く。全国で計130棟もの弾薬庫増設、長射程ミサイルやトマホーク配備など、各地で急速な軍拡が進んでいることがひしひしと伝わる。住民の不安も多大だ。
防衛省の「抑止力・対処力を高め、国民の安全安心」喧伝に対し、参加者は「弾薬庫は攻撃目標にされ、かえって危険にさらされる」「敵基地攻撃能力を持つ⾧射程ミサイルは他国を威嚇することになる」「『専守防衛』から大きく逸脱し憲法違反」「武力で平和は守れない。私たちは二度と戦争をしたくない。戦争の加害者にも被害者にもなりたくない」と訴えた。
●10月20日 「自衛隊統合演習中止要望書」を近畿中部防衛局(大阪)に提出 激しくなる一方の軍事演習に抗議し、近畿中部防衛局へ「中止要請」を出した。丹原美穂
◆横須賀
基地に大統領
平和船団抗議
横須賀基地で米大統領を見るのは3回目だ。
96年4月、第3次台湾海峡危機に出動した空母インディペンデンスが横須賀にもどったのに合わせるようにクリントン大統領が空母に着艦し、乗組員を激励した。空母の向かいにはイージス艦「みょうこう」が。
19年5月、トランプ大統領は、安倍首相とそれぞれのヘリで護衛艦「かが」に着艦。この時は原子力空母ロナルド・レーガンは不在。強襲揚陸艦ワスプにも着艦。
そして、今回は大統領と高市首相が大統領専用ヘリに同乗し、原子力空母ジョージ・ワシントンの甲板に。向かいにはイージス艦「まや」と護衛艦「もがみ」が。ヨコスカ平和船団は海上から、横須賀市民約300名もヴェルニ―公園で抗議した。木元茂雄
◆静岡
浜松の司令塔
地下化が進む
自衛隊統合演習で航空自衛隊浜松基地はミサイル防衛と対艦攻撃の拠点となり、浜松基地の「空飛ぶ司令塔」(AWACS)が四国沖に送られた。浜松基地周辺は特別注視区域に指定され、基地司令部の地下化が進み、警備訓練も強化されている。演習最中の10月26日に基地航空祭が開催されたが、人権平和・浜松などは「自衛隊統合演習へのAWACS投入に抗議し浜松基地エアフェスタの中止を求める要請書」を出して戦争反対を訴えた。竹内康人
◆熊本
住民脅かす
電子戦部隊
各地でかつてない規模の軍事演習が行われる中、熊本でも射程1000qの長射程ミサイル配備計画があり、弾薬庫の新設計画も新たに判明した。電子戦部隊も強化される中、体調不良を訴える住民も出始めている。未だ住民説明会も開かず、「国民保護」の名の下に多国軍との統合軍事演習を実戦さながらに行う様は、もはや臨戦態勢と言っても過言ではない。私たちの命と暮らしを守るどころか、地域の平和と安全を脅かす行為だ。
私たち住民は、唯一の武器である憲法が定める権利を最大限に行使し、戦争準備に断固反対する。軍拡は対話外交による平和的解決の道を閉ざす。平和を守る政策への転換を強く求める。海北 由希子 (平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本)
◆沖縄
怒涛の怒りで
2時間半阻止
10月20日から31日まで自衛隊統合演習が行われた。20日朝8時、自衛隊員・装備品を積んだ「はくほう」が、沖縄県中城湾港に入港した。市民団体は早朝6時から結集し、抗議集会を開きながら入港を待ち受け、車両が港湾から公道に出るのを「自衛隊帰れ」「沖縄を戦場にするな」「行き過ぎた訓練をするな」など怒涛の怒りで、2時間半も阻止した。最終的には、機動隊に排除されたが、いかに訓練に反対しているかを訴えた。
訓練内容を一瞥すると台湾有事では南西諸島が初戦で主戦場になる。沖縄を再び戦場にさせない怒りの闘いは続く。
照屋寛之(ミサイル配備から命を守るうるま市民の会共同代表)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年11月25日号
□
京都・祝園に2700人 大型爆弾14棟増設に反対京都・祝園に2700人 大型爆弾14棟増設に反対
古都京都・祝園(ほうその)の陸上自衛隊祝園分屯地の弾薬庫は、周りに国立国会図書館関西館や多くの研究施設、大学、企業がある学研都市に位置する。
弾薬庫は建設当時から“東洋一”といわれたが今年8月、更に計14棟の大型弾薬庫増設工事が開始された。増設は全国最大規模。現時点で投入された税金300億円以上だが、防衛省が開いたのはわずかに工事説明会のみ。弾薬庫増設についての住民説明会はなく、長射程ミサイル保管に関する情報は一切非公開のまま工事は強行され、全国住民の不安と怒りが集会に結実した。
●10月18日 全国交流会 地元の京都、神戸、大阪、名古屋、岐阜、広島、大分、熊本、神奈川、東京・横田、沖縄・宮古島などから140人が参加。現状報告や活動報告があり、大型弾薬庫問題やXバンドレーダー配備、騒音被害や公道を通る自衛隊車列など、全国の住民から数多くの不安が語られた。
●10月19日 祝園全国集会 基地に反対し平和を求める市民2700人が全国から結集。弾薬庫近くの「けいはんな記念公園」芝生広場は人で埋まった。
第1部は祝園Peace Pieceフェス、第2部は全国リレートーク。沖縄、熊本、大分、広島、愛媛、京都、大阪、奈良、滋賀、兵庫、和歌山、愛知、静岡、神奈川、東京、日本各地からの訴えが続く。全国で計130棟もの弾薬庫増設、長射程ミサイルやトマホーク配備など、各地で急速な軍拡が進んでいることがひしひしと伝わる。住民の不安も多大だ。
防衛省の「抑止力・対処力を高め、国民の安全安心」喧伝に対し、参加者は「弾薬庫は攻撃目標にされ、かえって危険にさらされる」「敵基地攻撃能力を持つ⾧射程ミサイルは他国を威嚇することになる」「『専守防衛』から大きく逸脱し憲法違反」「武力で平和は守れない。私たちは二度と戦争をしたくない。戦争の加害者にも被害者にもなりたくない」と訴えた。
●10月20日 「自衛隊統合演習中止要望書」を近畿中部防衛局(大阪)に提出 激しくなる一方の軍事演習に抗議し、近畿中部防衛局へ「中止要請」を出した。丹原美穂
◆横須賀
基地に大統領
平和船団抗議
横須賀基地で米大統領を見るのは3回目だ。
96年4月、第3次台湾海峡危機に出動した空母インディペンデンスが横須賀にもどったのに合わせるようにクリントン大統領が空母に着艦し、乗組員を激励した。空母の向かいにはイージス艦「みょうこう」が。
19年5月、トランプ大統領は、安倍首相とそれぞれのヘリで護衛艦「かが」に着艦。この時は原子力空母ロナルド・レーガンは不在。強襲揚陸艦ワスプにも着艦。
そして、今回は大統領と高市首相が大統領専用ヘリに同乗し、原子力空母ジョージ・ワシントンの甲板に。向かいにはイージス艦「まや」と護衛艦「もがみ」が。ヨコスカ平和船団は海上から、横須賀市民約300名もヴェルニ―公園で抗議した。木元茂雄
◆静岡
浜松の司令塔
地下化が進む
自衛隊統合演習で航空自衛隊浜松基地はミサイル防衛と対艦攻撃の拠点となり、浜松基地の「空飛ぶ司令塔」(AWACS)が四国沖に送られた。浜松基地周辺は特別注視区域に指定され、基地司令部の地下化が進み、警備訓練も強化されている。演習最中の10月26日に基地航空祭が開催されたが、人権平和・浜松などは「自衛隊統合演習へのAWACS投入に抗議し浜松基地エアフェスタの中止を求める要請書」を出して戦争反対を訴えた。竹内康人
◆熊本
住民脅かす
電子戦部隊
各地でかつてない規模の軍事演習が行われる中、熊本でも射程1000qの長射程ミサイル配備計画があり、弾薬庫の新設計画も新たに判明した。電子戦部隊も強化される中、体調不良を訴える住民も出始めている。未だ住民説明会も開かず、「国民保護」の名の下に多国軍との統合軍事演習を実戦さながらに行う様は、もはや臨戦態勢と言っても過言ではない。私たちの命と暮らしを守るどころか、地域の平和と安全を脅かす行為だ。
私たち住民は、唯一の武器である憲法が定める権利を最大限に行使し、戦争準備に断固反対する。軍拡は対話外交による平和的解決の道を閉ざす。平和を守る政策への転換を強く求める。海北 由希子 (平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本)
◆沖縄
怒涛の怒りで
2時間半阻止
10月20日から31日まで自衛隊統合演習が行われた。20日朝8時、自衛隊員・装備品を積んだ「はくほう」が、沖縄県中城湾港に入港した。市民団体は早朝6時から結集し、抗議集会を開きながら入港を待ち受け、車両が港湾から公道に出るのを「自衛隊帰れ」「沖縄を戦場にするな」「行き過ぎた訓練をするな」など怒涛の怒りで、2時間半も阻止した。最終的には、機動隊に排除されたが、いかに訓練に反対しているかを訴えた。
訓練内容を一瞥すると台湾有事では南西諸島が初戦で主戦場になる。沖縄を再び戦場にさせない怒りの闘いは続く。
照屋寛之(ミサイル配備から命を守るうるま市民の会共同代表)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年11月25日号


